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初デート①

 高校生のデートとはどんなものか分からないので渚に逆に何処に行くものなのかと質問する。 「う~んやっぱカラオケとか映画とか、あとは動物園、水族館とかかな?」  高校生であればこう言った所だろうか。  行く所も限られているし、渚の懐事情も考えたら叶芽には申し訳無いが、あとは公園などただで行ける所がありがたい。 「俺動物好きだし動物園とか水族館いいかも。 俺カラオケって行ったこと無いけどどうなんだろ……楽しい?」  佑真と色々と遊びには行ったが、カラオケはまだ行ったことはなかった。  歌が得意では無いので、行ってもつまらないと思ったから。  けれどクラスメートがたまにカラオケ行こうと話しているのを隅っこで聞いていて、楽しいのかなと少し行ってみたいと思った。 「まぁ歌歌ってワーワーキャーキャー盛り上がって、ドリンクやらちょっとした食事やらを楽しむ感じかな。 行ってみる? 2人だとゆったり過ごす感じになると思うけど」 「うん」  渚と一緒であれば行ってみたいと叶芽は頷いた。 「でもナギバイトあるんじゃないの? 時間ある?」  そう、渚はバイトで忙しいのでゆっくりデートする暇が無い。  今だって放課後僅かな時間を使って会っている。  あまり夜遅くなるわけにもいかないのでデートするにもほんの2~3時間程度だろう。 「それなんだけど俺、バイト減らそうと思って」 「え、そうなの?なんで?」 「ん~母さんにね、自分の時間を大切にしたらって言われたからかな。 だから俺はカナちゃんともっと一緒にいたいと思ったからバイトは1つに減らすの。 あと体持たないし」  ずっと長男として家族に尽くしてきたのだから、少しくらい自分の好きなことをしてもいいよねと渚は思う。  折角叶芽と恋人になったのだから2人の時間を大事にしたい。  今まで彼女が出来てもバイトや家の事で精一杯で一緒の時間があまり無く、すぐに別れてしまった。  絶対に叶芽を失いたくない。

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