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甘い時間①

佑真を交えた家族団欒の夕飯。 佑真がいることで少々気まずい叶芽だったが、麻人から嬉しいニュースを知らされる。 「そうそう、近々藤堂が戻ってきてくれるそうだよ」 「ホント!?やった!!」 藤堂とは以前いた執事の事だ。 ずっと柊家に仕えていたが、病を患い辞めてしまった。 その後他の執事を雇っていたが、どうも相性が良くなかった。 羽毛アレルギーがここへ来て初めて発覚した者や、Ωに偏見は無いと言っていたがあまりいい感情を持っていなさそうな態度な者。 あとは単純にあまりにキッチリし過ぎな執事に叶芽が疲れてしまい解雇。 最終的に藤堂が良いとなり、病気も回復したと藤堂から連絡があったので、戻ってくることとなった。 藤堂が好きな叶芽にとってはこの朗報はモヤモヤしたこの心を一気に晴れやかにした。 それから日が流れ、この日は初めての渚とお出かけデート。 待ち合わせ場所に急いで向かうと、既に渚の姿があった。 「ナギ!!」 「カナちゃん」 私服姿の渚は制服を着ているよりも大人っぽく、カッコいい。 と言うか何を着ても様になる気がする。 それと気になったのは彼の耳。 「それピアス?」 彼の左耳には2つリング型のピアスのような物が付いている。 彼はこう言う物を付けるんだなと初めて見たので少し驚いた。 「ああこれ?下はピアスだけど上のはイヤーカフなんだ」 「イヤーカフ……?」 イヤーカフを知らない叶芽に優しく教えてくれる。 「これは穴開けなくてもこうやって挟んでるだけの奴。 まぁ安もんだけど」 そう言って外して見せて、また耳に付ける。 「へぇ~カッコいいね」 「ありがと。 じゃあ行こっか」 「うん……」 すると渚ははぐれないようにと叶芽の手を取る。 手を繋いで向かった先は映画館だ。 2人が鑑賞するのは洋画のSFアクション映画だ。 「これ気になってたんだぁ」 以前からこの映画が面白そうだと思っていた叶芽は、その内佑真と観に行こうと思っていたが、今回渚と映画デートで観に行く事が出来た。

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