2人はポップコーンと飲み物を買って劇場内へ入る。 「カナちゃんは洋画とか好きなの？」 「うん、アクションとか迫力ある映画は好き。 ナギはどう言うのが好き？」 「俺もアクション洋画好きだな。 映画館で観るならやっぱ迫力ある奴がいいよね」 「俺もそう思う」 こう言う所で気が合うのは嬉しいと渚は思う。 今まで女の子と交際し、映画を観るなら彼女に付き合ってラブコメばかりだった。 正直ラブコメに全く興味ない渚は眠たくなるだけだったので、叶芽とこうやって好きなことを共有出来るのは楽しい。 「凄かったね。 CGの迫力が良かった」 「確かに映像は凄い迫力だったけど、ストーリーは思ったよりありきたり感があったかな」 「それは分かる!! こう言う映画はストーリーより映像を楽しむ物って思ってる」 2人で映画の感想を言い合う。 渚は女の子と来るよりも自分の観たい物を共有し、語り合う事が出来る叶芽といる方が楽しいと思った。 「この後どうする？ カラオケ行く？」 「行く!!」 かねてより行きたいと言っていたカラオケへ向かう。 カラオケ店に入ると渚は慣れた様子で店員と会話をする。 ○号室へどうぞと言われると渚は行こっかと進んで行くのを後から叶芽は着いて行く。 初めて来るこの場所は薄暗く少し怖いと思ってしまった。 狭い廊下を歩いて指定された番号の部屋に行くと、大きな画面がまず目に入った。 「じゃあ何か歌おっか。 何歌う？」 渚はデンモクと呼ばれる機械を操作し始める。 「何これ」 「ん？これで曲を選ぶの」 「へぇ～」 何も分からないので彼に任せる。 「この曲知ってる？」 すると音楽が大音量で流れてきた。 「ああうん、知ってる」 確か佑真が好きだと言っていた曲だ。 有名な曲らしいが、世間に疎い叶芽は詳細は知らないが、佑真が良く聴いていた曲なので覚えた。 「はい、一緒に歌お!!」 そう言って渚はマイクを渡してきた。 人前で歌う事など無いので緊張する。 だが渚は緊張や恥ずかしさなど一切感じないようで、思いっきり歌うので叶芽もそれに釣られて思いっきり歌った。 「カナちゃん上手いね。 音程あんま外さない」 「そうかな？ でもまぁ小さい頃ピアノ習ってたから多少は音感あるのかも？」 4歳の頃から6年間ピアノを習っていた。 しかし練習嫌いで、それ程上達もしないので辞めた。 正直ピアノを楽しいと思ったことはあまり無かったが、歌に多少は生かされたのかもと思うと無駄では無かったようだ。