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甘い時間⑨
素股までしかしていないとは言え、事後のこのシーツをどうしようかと叶芽に相談すると、まぁ大丈夫なんじゃない?と適当な答えが返ってきた。
「まぁどうせ業者の人雇ってこの家管理してるし、特に汚れて無いなら問題ないと思う」
この家を掃除するのは見知らぬ誰かなので仮にその人にバレても身近な人にはバレないので問題ないと叶芽は言う。
「あ~うん、なるほど……」
やはり金持ちは自分で掃除には来ないのだなと苦笑いを浮かべた。
「て言うか服……」
裸だったのにいつの間にか服を着ていることに今更気付いた。
「流石に裸のまんまじゃカナちゃんも嫌でしょ」
さも当然のように言う彼にわざわざこんなことまでさせて自分は寝てしまっていた事に申し訳無く思う。
すると渚はなんか喉渇かない?と聞くのでじゃあ水でいいなら持ってくると叶芽はキッチンへ行き冷蔵庫から水を取り出した。
後を着いてきた渚にどうぞと渡し、2人喉の渇きを潤した。
「水飲んだらちょっとお腹空いた気もする……」
そう呟く叶芽に渚は時計を見て、確かにそろそろ腹が減る時間だなと思う。
叶芽がまたキッチンの棚を漁ってスナックを見付ける。
「取り敢えず腹の足しにはなるかな?
ホントはがっつり食べたいけど、冷蔵庫なんにも無いし……」
「時間がもっとあったら食材買い出し行って俺が作ってもよかったんだけどね」
残念ながらそれをやると帰りが遅くなってしまう。
「ナギの手料理………
いいなぁ食べたい………」
先日渚の家に行って食べたサンドイッチは美味しかった。
もっと渚の手料理を食べてみたいと思った。
「じゃあさ、今度のデートで作ってあげようか?」
「ホント?食べたい!!」
渚の提案に叶芽は嬉しそうな顔をする。
「あ~でも多分カナちゃんがいつも食べてるようなものは作れないとは思うけどね……」
叶芽はいつも家政婦が作るプロの味に慣れているので、渚は美味しくないと言われたらどうしようと少々不安ではある。
けれど嬉しそうに笑う叶芽を見たらなんとも言えなくなる。
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