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格差②
恋人が出来たと告白した叶芽。
親に言えないことも藤堂になら言える事も多々ある。
「恋人ですか……
その方はどんな方ですか?」
しかし恋人と言う単語に藤堂は少し困惑した。
「ん~めっちゃカッコいい!!
それに優しいし、カッコいい!!」
「はぁ……」
兎に角カッコいいを連呼する叶芽にそうですかと笑顔で対応する。
しかし内心穏やかではなかった。
「父ちゃんと母ちゃんには内緒ね。
バレたらめんどくさそう」
「ええ、分かってます」
言うなと言われたら藤堂から叶芽の両親に伝える事はない。
そんなところもまた信頼されるところである。
だが信頼られる所はそこだけではない。
「藤堂、ちょっとこっちを手伝ってくれないか?」
そう頼むのは千歳。
彼の仕事部屋へ行くと机の上には書類などが散乱していた。
「仕事の書類だから斐紹君と早苗さんにはここはあんまり触らせて無いんだ。
そしたらこんな有り様だ……」
バツが悪そうに藤堂を見る。
千歳は掃除も含め家事が苦手である。
しかし仕事の書類となると家政婦に片付けさせると、何処に何があるのか分からなくなりそうなので放って置いたらとんでもないことになった。
「悪いが、整理するのを手伝ってくれ」
「ええ、了解致しました」
藤堂はこの面倒な事も笑顔で応え、早速片付けに取り掛かる。
「資料を順番に纏めました。
ご確認下さい」
「………流石だな。
見やすくなったし、この資料ちゃんとあったのか………
ずっと探してたんだ」
無くなったと思った物も藤堂のお陰で見付かった。
やはり彼がいないと家が回らないと千歳は思う。
「お役に立てたようで何よりです。
では私は叶芽様のご様子を確認して参ります」
「ああ、ありがとう」
千歳の仕事部屋を出た藤堂は叶芽の所へ向かい、恋人についての情報を聞き出しに来た。
いくら叶芽が選んだ人物で、彼の両親には内緒とて、素性などは把握しておく必要があるからだ。
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