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格差④
渚の選んだ服を試着室で着替え、カーテンを開ける。
「どう?」
「おお凄い。似合うね」
「ホント?」
渚の選んだストリート系ファッション。
叶芽には似合わないとかと思いきや、クールで綺麗な顔立ちなので案外似合う。
そして渚に褒められ気分を良くした叶芽は買おうかなと思う。
「ねぇ、ナギがさっき見てた服と俺の服買っちゃおうかなって思うんだけど」
「え……?」
渚が金額的に買わないと言っていたので、代わりに叶芽が買ってプレゼントしたいと言う。
「いやいやいや、ダメだよ?
そんな人にホイホイ買うのは」
「なんで?
ナギだって前食事とか奢ってくれたし、俺だって奢りたい」
「いやだから食事なんてそんな大した金額じゃないし……
服なんてこれいくらすると思ってんの?」
「??
そんな高くないよ?」
「ああ……うん、カナちゃんにはそうかもね………」
金銭感覚が全く違う………
このギャップはきっと埋まることはないんだろうと思う。
「それに俺ナギにあの服着て欲しい!!
絶対似合うし、他にも色々着させて、着せ替えさせたい」
その発言に俺は着せ替え人形ですかと聞くと着せ替えモデルさんと答え、思わず笑ってしまった。
「やっぱカナちゃん面白いよね。
う~ん……恋人に貢がれるのはあんま気分は良くないけど、カナちゃんがそこまで言うならまぁ……今回だけ」
自分は貧乏で恋人は金持ち。
これではまるでお金目当てで付き合ってるようで嫌だが、叶芽が楽しそうに言うのだから今回だけと了承した。
「じゃあナギも色々試着してよ。
俺だけズルい」
そう渚に服を選ばせる。
途中店員が声を掛けてきて、店員にも色々と薦められた。
選んだ服を試着して見ると、また一段と大人っぽくなってカッコいい。
「お兄さんカッコいいッスね
めっちゃ似合ってます」
店員もベタ褒めしてくる。
まぁそれが仕事なのだろうが、言われて気分は悪くない。
「じゃあこれ全部買います」
「え?」
渚が今着ているパーカー、それから上着とズボンを全て買うと叶芽は言う。
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