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格差⑦
天気が良く自然を感じられるこの公園を2人は木に止まっている鳥を見上げながら散歩する。
「そう言えばカナちゃんなんでオカメインコ飼おうと思ったの?」
鳥と言えば叶芽の飼っているオカメインコ。
「ん~と、何年か前にオーストラリアに旅行に行ってオウムとかインコに一目惚れした」
以前旅行で行ったオーストラリア。
固有種のオウムやインコを見てなんて可愛いんだと思った。
元々動物は大好きだった。
だから犬か猫を飼いたいと昔言ったが却下された。
理由は犬はちゃんと毎日散歩させなければならないが、それが出来ると思えないと言われた。
猫は単純に母、千歳がアレルギーだからだ。
鳥ならば散歩はいらないので叶芽でも世話できるだろうとOKされた。
暫く歩くと人気 の無い木々に覆われた小ぢんまりとした場所に辿り着いた。
そこで渚は叶芽の正面に立って、先程買った指輪を取り出した。
「カナちゃん右手出して」
叶芽は渚の指示に従い右手を出した。
「俺貧乏だしカナちゃんとは釣り合わないんだろうけど……
カナちゃんと一緒に居て楽しいし、落ち着くし、ずっと一緒に居たい。
大好きだよ」
そう言って叶芽の右薬指に指輪を嵌めた。
叶芽は嬉しそうにそれを眺めると、はっと、自分もと急いで自分が買った渚の分の指輪を取り出した。
「俺もナギと居て楽しいしずっと一緒に居たい」
そして今度は叶芽が渚の右薬指に指輪を嵌める。
まるで結婚式の指輪交換のようで嬉しいような少し小っ恥ずかしいようなで2人は見つめ合うとクスクスと笑い合った。
右手の薬指にキラリと光る指輪を見つめる叶芽に渚が声を掛ける。
その声に顔を上げた叶芽に渚はキスをした。
「んっ………」
少し強引に舌を唇に割り込ませると彼の舌と絡ませる。
そして遠くに人の声が聞こえ2人は慌てて離れた。
「もう、人に見られたらどうすんの!?」
「でも良かったでしょ?」
「…………」
良かった、からあまり文句も言えない。
叶芽は悔しそうな顔をしながら頬を膨らませた。
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