食事も終わりそろそろ家に帰ろうかと立ち上がると、佑真が引き留めてきた。 「泊まってけよ。 どうせ明日は学校無いし……」 「え………」 以前はよくお互いの家にお泊まりしていた2人。 告白される前ならば喜んで泊まっていたが、今は少し複雑な心境なので素直に頷いていいのか迷う。 「泊まるのなら私からお家に連絡を入れておくよ。 泊まって行くかい？」 「え、え～と……はい……」 光太郎に後押しされ断りきれず泊まって行くと言ってしまった。 そして先に風呂に入ってどうぞと言われたのでお言葉に甘えて、先に入らせて貰う。 着替えは藤堂に持ってきて貰った。 叶芽は脱衣所に行くと後ろから佑真が入ってきた。 「俺も一緒に入る」 「え、なんで!?」 「なんでって…… 昔から一緒に入ってたろ。 なんか問題あんのか？」 「い、いや………」 確かに佑真とは小さい頃から一緒に入っていたので抵抗は無いが、やはり佑真が自分に好意を持っていると言う事実は気になる。 しかしここも断る事も出来ない。 「ほらどうした？早く脱げよ」 早々に服を脱ぎ捨てた佑真。 程よく付いた筋肉に、こんな綺麗な身体してたっけと久しぶり見た叶芽は思わず畏縮する。 早くしろと急かされそろそろと服を脱ぎ、浴場へ足を運ぶ。 柊家程ではないが浴場は広々としていて何故かシャワーも2つある。 男2人で入っても狭さを感じない。 2人はそれぞれで頭を洗う。 すると一足先に頭を洗い終わった佑真が傍へやってきた。 「カナ、俺が身体洗ってやるよ」 「いや、それくらい自分でやるしっ!!」 「背中は届かないだろ？ やってやるって」 「届くから大丈夫だって」 流石に身体を洗われるのは気が引ける。 一緒に風呂に入ってる事も抵抗があるのに…… しかし佑真は叶芽の声には耳を貸さず、ボディソープを手に取る。 「前は洗いっこしてたじゃん」 「……そうだけど」 「じゃあいいじゃん」 「……………」 そう言われてしまえば断る事も出来ない。 佑真も分かってて言っているからタチが悪い。