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第一章・8
「僕の名は、晶(あきら)。よろしくね」
「あ、俺は、宮内 慎です!」
「東雲 亮太です」
雨が降っているから、と晶は自宅へ二人を招待してくれた。
あの原っぱから下へ降りる石段を下りたところにある、一軒家だ。
青い屋根に白い壁の、小さな家。
「どうぞ」
晶は、引き戸を開けた。
二人が一歩足を踏み入れると、良い香りがした。
ミルクのような、甘い香り。
「いい匂いがする」
「アロマですか?」
「どうかな。住んでる僕には、よく解らないよ」
中には、古そうだがよく手入れされた家具類が少し。
四畳のキッチンと、六畳のリビング、バス、それに四畳の和室が二つ。
本当に小さな、ささやかな家だった。
晶はキッチンからシュークリームを出してきてくれて、二人に振舞った。
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