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第二章・3

「俺、どうしちゃったんだろう」  食事をし、お風呂に入り、宿題も済ませた。  ベッドに仰向けになり、暗闇に目を凝らした。  見えてくるのは、亮太の笑顔だ。  Ωの亮太は、学校で浮いた存在だった。  あからさまないじめに遭うこともあった。  その都度、慎は亮太を助けた。  正義感の強い慎には、体の小さな亮太がいじめられることが、我慢ならなかったのだ。  体が大きく、αである慎がバックについていることで、亮太への嫌がらせは次第に無くなった。 「俺たち、親友になろうぜ!」 「うん、いいよ。ありがとう」  こんな言葉を交わしてから、ずっと一緒に過ごしてきた。  クラスが同じになるたびに、跳んで喜んでいた。  そんな亮太を見る眼が、どんどん変わってきている自分に、慎は気づいていた。  亮太の笑顔を見ると、胸が躍る。  亮太の手を握ると、血がぐるぐる巡る。  それが恋とは知らないまま、慎はいつしか眠ってしまった。

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