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第四章・2
「消えた!」
「晶さんが、消えちゃった!」
素早く外へ出たのかな、と慎と亮太は家を飛び出した。
だが、そこには晶と黒服の男ではなく、作業服を着た男が数名立っていた。
「こらこら、君たち。空き家に勝手に入っちゃだめだよ」
「空き家?」
二人は晶の家を振り返って驚いた。
真っ白だった壁は塗装が剥げて、みすぼらしい姿をさらしていたのだ。
「嘘、だろ……」
石段を登って上から家を眺めると、真っ青だった瓦も色あせ、古ぼけて見える。
「な、なんで? 晶さん、実はキツネで、俺たちを化かしてたのか?」
「不思議だね……」
でも、と二人で家路を歩きながら、あの優しい晶さんが俺たちを化かしたりはしないだろう、と話し合った。
「晶さんの正体は解らないけど、俺はあの人に大切なことを教えてもらったんだ」
「僕もだよ」
やっぱり晶さんは、二人だけの秘密だね、と語り合った。
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