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第2話

衝撃的な出会いをした俺とオオカミお兄さん。 お兄さんの耳やら、お尻のところにふさふさした尻尾がついてることとか、色々と突っ込みたいところは山程あったけど…この人が悪い人には見えなくて、お兄さんに保護される形で俺はお家にお邪魔することになった。 お兄さんの家は、上手く説明できないけどキャンプ場とかにあるコテージみたいな感じだった。 木の暖かみが感じられて、窓から差し込む太陽の光と合わさって良い感じだ。 俺もこんな家で、スローライフ楽しみたい。 「なにか飲むか?」 「あ、いえ…結構です」 「そうか…、鼻頭を怪我しているな。手当てをするから少し待っていろ」 家の中に入り、リビングであろう場所に置かれたふかふかのソファに座った俺は、きょろきょろと辺りを見回す。ソファに腰を下ろした俺を確認したお兄さんは、血が滲む俺の鼻頭を一瞥し、近くの棚から救護箱を取る為、俺に背を向ける。 お兄さんのお尻で、ゆらゆらと揺れている尻尾。 ぴくぴくと動いている、耳。 森の中で見た、あの大きな銀色のオオカミ。 多分、お兄さんの本当の姿はあのオオカミで、今は俺を怖がらせない為に人の姿になってるんじゃないかな、って思う。 ……ファンタジーだなぁ。 俺、もしかして異世界に来てる? ラノベとかでよくある、異世界トリップとかしちゃってる感じ? 「待たせたな、消毒液で少し染みるとは思うが我慢してくれ」 「あ、はい……っ、いっ!…〜っ…」 「………すまない、量を間違えてしまった」 お兄さあああん! コットンみたいなやつを、消毒液が滴るくらいにびちゃびちゃにしたら駄目だよ! それ絶対に染みて痛いやつ…! あまりの痛さに涙目になり悶絶した俺だが、いい大人なので泣き叫んだりはしない。絶対に。 お兄さんも俺の反応を見て量を間違えたと分かったのか、申し訳なさそうな顔をしながら頭の上にある耳が、しゅん…と垂れる。 「…なにそれ、可愛すぎる…っ!」 あまりの可愛さに、今度は違う意味で悶絶していると、お兄さんは不思議そうな顔をしながらも、手当てを進めていく。 軟膏みたいな塗り薬を鼻頭に塗られ、塗りすぎた箇所はお兄さんの親指で拭われる。 「人間は傷を舐めるだけでは、治らないからな。…また明日、この薬を塗るといい」 「ありがとうございます…、えっと本当に助かりました。気付いたらあの森の中に居て、何がなんだか分からなかったので…」 「……そうか、大変だったな。あの時、驚かせてすまなかった。普段、あの森では人間の匂いを感じることが無いに等しい。だから少し警戒してしまった」 「大丈夫ですよ、最初は怖すぎて俺死ぬかもって思っちゃいましたけど…今は怖くありませんし、それに自分の縄張りに他人が侵入してきたら警戒するのは当たり前ですしね」 「……ありがとう、理解をしてくれて。今更ながら、私はオオカミ族のアルバートだ。この森一帯は、オオカミ族が暮らしているところだ、行くあてがないのならしばらくここに居るといい」 「俺は、杉本海斗って言います。カイトって呼んで下さい。えっと…種族は人間ってことになるのかな?アルバートさんに出会わなければ、俺は路頭に迷ってたと思うので…しばらく、お世話になります」 今更ながら、お互いの自己紹介を終え、俺はアルバートさんの家でしばらくお世話になることになった。 あとで、この世界のことをアルバートさんに詳しく聞こう。 俺が元いた世界とはまるで違うこの世界に、俺は馴染まなきゃならない。 ネガティブよりはポジティブ! なるようになれだ!

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