20 / 63
第20話
「伊織……いいから、止め…んっ!」
俺を抱いていた手が俺の顎を捉えると、顔を伊織の方に向けられ、伊織の唇が重なった。スルリと入り込んだ舌が俺の口内を弄る。歯をなぞられ、舌を絡められ、上顎を刺激され、快楽のポイントを突いて行く。
「伊……織……あっ!」
口と下半身の刺激で頭が呆然としてきた。そんな俺の様子を見て伊織はクスッと笑う。
「コウちゃんって単純で流されやすいね。それって今まで自分が攻められる方になった事ないからなのかな?」
「うるさ……っ!あっ……」
完勃ちしてしまった俺の愚息。まさか男の手でこうなるとは……このまま放してもらいたいが、男の整理としてそのまま放置はきつい。逃れたら速攻でトイレに行くしかない。
「ねぇコウちゃん。ここ、きついよね?」
「誰のせいだと……!」
「うん。だから俺が責任持って処理するよ」
「はぁ?」
クルッと俺の身体を反転させた伊織は、そのまま俺の身体を壁につけ、自分は俺の起立の前に跪いた。まさか……!
「待て!伊織……ん!」
温かな口内に俺の起立が包まれる。伊織の舌が亀頭のくびれをなぞり、小さな穴を刺激する。
「伊織……ダメだ……はぁっあ、あぁ……!」
「我慢しないで出しちゃえば?そうしたら早く終わるし楽になれるよ」
手と舌を使い起立は痛い程に張りつめていく。女にフェラされて喘いだ事なんてそうないのに、伊織にされるとどこから出ているのか、甘ったるい声が自然と出た。
「あっ……ダメ!伊織……はぁっ!あぁ」
絶頂が近づくにつれ、それが伊織にも伝わったのか、舌は淫らな音を立てながら先端を嘗め上げていく。
「あっ、出る……伊織……あぁぁ!」
限界がやってきた俺は、そのまま伊織の口内に射精してしまった。張りつめられたものが解放され、俺はくたりとその場に座り込んだ。すると伊織は俺を抱きしめた。
「ごめんねコウちゃん。我慢できなかった……」
そう言って俺の頭を撫でる伊織の手は優しい。幼馴染に告白されて、両家の両親の都合で一週間を一緒に過ごすようになった初日にフェラされてしまった。
俺はしばらく何も考えられなかった。頭が正常に動くようになると、何も言わず風呂を出て部屋へと向かった。
これから一週間どうなってしまうのか……想像もつかないししたくもないと思った。
ともだちにシェアしよう!