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いまもこれからも-2

 それからしばらく山道を歩いて到着した温泉宿は、秘境の癒しスポットとインターネットで言われている。見た目はよくある温泉宿だ。瓦屋根の二階建てで、木板で客の名前が書かれ歓迎を表している。 「ようこそおいで下さいました」  仲居さんがお決まりのセリフを言いながら、俺達を迎え入れる。 「荷持ちをお預かりします」 「よろしくお願いします」  持ってきていた荷物を預け、俺達は宿泊する部屋に案内された。 案内されたのは部屋に露天風呂がある一階の部屋だ。別に風呂など本来なら大浴場でいい。けどこれは伊織たっての希望だ。 「それではごゆっくりどうぞ」  パタンと扉が閉まり、この部屋には俺と伊織しかいない空間となった。俺は迷わず畳に寝転がった。 「あー疲れた!」 「お疲れ様。どうする?まだ夕食まで時間あるけどお風呂入る?」 「そうだな。さすがに汗臭いし部屋に露天風呂もあるんだ。入るか!」  ぽいぽいと服を脱いだ俺に続き、伊織もまた服を脱ぎだした。 「おい、お前も入るのか?」 「えっ?当たり前でしょ?」  きょとん顔で当たり前と言われてしまったが、まだ日があるうちから盛ってくるんじゃないだろうなと警戒する。 「俺は純粋に汗を流すだけだからな」 「わかってるよ」  本当なのか?これはお決まりパターンのような気もしたが、汗でべたつく肌は気持ち悪い。四の五の言わず俺と伊織は露天風呂に入った。さすがに日中は日の光があって暑いが、夜なら涼しいだろうなと思った。 「明るい場所で見るコウちゃんの身体って、なんか新鮮だね」 「あっ?何言って……」 「ほら、これとかこれ……」  スッと長い指が俺の首筋や鎖骨、胸を撫でるようにして辿っていく。指が示す場所にあるのは昨夜もつけられた伊織の痕だった。 「これ全部お前だろ!」 「そうだね。でもそういうの見てるとたまらないね」 「お、おい!ん!…っあ」  近づいてきた伊織の顔にあっという間に口を塞がれてしまった。くちゅくちゅと淫靡な音が響き渡る中、伊織は俺を抱き寄せる。 「コウちゃん。好きだよ」 「おう……」  愛の言葉を交わすと再び唇が重なり、舌を絡めてくる。結局なし崩しになってそのまま余計な汗をかいた。

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