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いまもこれからも-3

「コウちゃん機嫌直して」  夕食の時には意気消沈してしまった俺。もちろん風呂場での事件がきっかけだ。俺が黙って飯を食っていると、伊織は謝ってくる。 「ほら、コウちゃんの好きな茶碗蒸しあげるから!」  完全にご機嫌斜めな俺に伊織はあわあわしながらなんとか機嫌を取ろうとしている。たしかに少し怒っているが、もういつもの事だからと機嫌もさほど悪くない。単に悪い大人のいじわるだ。  いつも凛と澄ましている伊織が慌てる姿がとても可愛くて仕方がなくて、ついついやってしまった。これ以上すると本当に凹みそうなので、茶碗蒸しを頂いたら許してやる事にしよう。 「仕方ないから茶碗蒸しに免じて許してやる」 「よかった」  笑顔を見せる伊織に少しばかり顔が熱くなった。セックスの時は掠れた声で俺の名を呼び、色香を漂わせているのに、こうして見る姿はまだまだ子供だ。さすがは十八歳だ。大人と子供の狭間のような存在だからこそ出せるギャップなのかもしれない。  そんな大人子供が俺にとって大切な存在になるなんてな。 「ねぇコウちゃん。明日はこの辺りの観光一緒にしようね」  穏やかな日々。これがいつまでも続けばいいなと、俺は純粋に思った。

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