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これからの未来-6

「はぁ……お前って図体でかいだけで中身は乙女だな」  俺の話を聞いた中沢が呆れたように口を開いた。 「乙女は余計だ。それに伊織がこれからどうしようと俺が決めるわけでも、押さえつけるのも違うだろ?」 「なんかそういうお前見るの新鮮で面白いな。滝沢の事、好きで好きで仕方なくて離れたくないって」  クスクスと笑う中沢だが、俺はちっとも笑えない。むしろこいつの言った通りだ。気が付かないうちに俺は俺が思ってた以上に伊織が好きで、大学に進学すると聞いてショックを受けたんだ。離れ離れになってしまう。それだけでどうにかなってしまいそうなほど。 「まっ、そう考え込むなよ。たかだか隣県だろ?車で二時間。新幹線だと四十分くらいの距離じゃないかよ」 「それはわかってる」 「なんだ?そんなあいつとのセックスが良すぎて離れたくないのか?」 「ば、馬鹿か!そうじゃねーよ!」  まぁそれは否定しない。伊織は俺を大切に扱ってくれる。たまに主導権を握る奴がよく出すいじわるがあるがな…… 「だったらさ、一回言ってみたら?お前と離れたくない!ってさ」 「そんな女みたいな事言えるかよ。それに……それは間違っても言っちゃいけない事だ」 「ほぉ……よくわかってんじゃん」  なめてるのかこいつは!年上として先に就職して、世の中それなりに渡り歩いてるんだからわかるわ! 「じゃあさ、何が不満なの?」 「別に不満なんて……」 「あるだろ?それに気が付いてない滝沢じゃない事くらい、お前だってわかってるだろ?」 「あ、あぁ……」 「まっ、お前のケツ掘るのは御免こうむるが、寂しくなったらいつでも一緒に飲んでやるよ」 「俺だってお前みたいに病気持ってそうなやつはお断りだ!」 「ひでーな……俺はちゃんと保護具着用してるし」  伊織がいなくなるのは寂しい。けどしょうがない。クソッ!こいつの言葉に甘えてやる。寂しくなったら財布空になるまで搾り取って延々愚痴を聞かせてやるからな!  そんな事を思いながらも、俺と中沢はそれから二時間しっかりと酒を飲んだ。

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