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ふたりのゆめ-2

「それでそんな話出すって事はもしかして両親に二度目はないのかって言われたのか?」 「そっ。親がそろそろどうかってさ……俺は仕事で忙しいから別にいいって言うんだけど、早く孫の顔が見たいって、歳を取るとそういうもんなんかな?」 「まぁ、それが普通だろうな。現実問題お前と滝沢じゃヤれても子供は無理だからぁ……」  俺は仕事が軌道に乗り出して一年して実家から離れてマンションを借りた。1LDKの部屋だが、実家からもそう遠くなく、会社からも近いので便利はいい。伊織が戻って来た時は一日中部屋でセックスしているんだが。 「もうさ、両親に話してしまえよ」 「でもなぁ……」 「別に理解のない両親でもないんだろ?」 「まぁ……でもショック受けるだろうなぁ……」 「初めはな。でも受け入れてしまえば楽なもんだろ?お互いに」  中沢の言うことも一理ある。そして百歩譲っても俺の両親は伊織の事を気に入ってるのもあるから、初めは驚いてもそれで受け入れてくれるだろう。問題は伊織の両親だな。  手塩にかけた息子が俺みたいなバツイチおっさんで、しかも何食わぬ顔で幼馴染してたやつだ。受け入れてくれるどころか怒られる。  なんだか娘さんをくださいって言いに行く男のようだな。 「まっ、二人の事だ。どうしたいのかちゃんと二人で話し合えよ」 「あ、あぁ……」  しばらくそんな話をしながら俺と中沢は別れ、一人家路につくと伊織からメールが届いていた。 ――明日そっちに行くね――  そのなんともない簡素な文章を見ながら俺は頬が緩んだ。明日伊織に会えるんだっていう嬉しさ半分に、これからどうするか半分と言ったところだろうか?  俺は風呂に入ってそのまま寝ようとしたが、なかなか寝付けず朝方になってようやく眠る事が出来た。  次に俺が目覚めたのはガチャリという施錠する音だった。 「コウちゃん?起きてる?」 「んあ?伊織……って、もう十時じゃん!」  スマフォのアラーム無視して爆睡していたらしい。俺は引っ越した時に部屋の合鍵を伊織に渡してるので、伊織が待ちぼうけくらう事はなにしても、なんとも不甲斐ない。 「ご、ごめん。迎えに行けなくて」 「気にしなくていいよ」  ニコッとほほ笑む伊織がちゅっと俺の唇に軽くキスをした。  伊織は今年二十一だ。高校を卒業してから男らしくなりつつも、造形の綺麗さは残している。美少年が今では美青年だ。やっぱりここまでいくと周囲の女子が色めくので、俺としてはちょっと複雑だな。だって俺は俺で三十一のおっさんだ。 「もしかして昨日は仕事忙しかった?」 「いや、いつも通り中沢と飲んで帰った。それから眠れないでゴロゴロして、気が付いたら爆睡してた」 「そっか。でも気にしなくていいよ。俺はコウちゃんと一緒にいられて嬉しんだから」  ベッドに腰を下ろした伊織は片手で俺の腰をグイッと引いて唇を重ね合わせた。 「ん……あっ、ちゅ。んあっ」 「コウちゃん……好き」  舌が深く、付け根辺りまで伸ばされる。くちゅくちゅと濡れた音が響く中、俺と伊織はそのまま身体を深く重ね合わせた。

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