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第18話

「……あ、ぁ……朔、ちゃん……」 両の太ももを掴まれてM字に開かされ、視線が窄まりに注がれた。顔にかぁっと熱が集まっていく。なけなしの羞恥心を以て脚を閉じようにも、身体にまったくと言っていいほど力が入らない上、朔ちゃんの腕の力が強くてびくともしない。彼の欲情しきった眼差しに、声を震わせることしかできない。 「あ……や、やだっ……!」 「すげぇ……馨のアナル、ぬるぬるしてる」 「や、だ……見ないで……」 「俺の指でぐちゃぐちゃにしたから、ぱっくり空いてるし」 「いやっ……嫌……」 「分かるだろ? お前のここ、やらしい音させてひくついてる」 露骨な言葉と興奮を露わにした声で実況され、髪を乱して首を振る。朔ちゃんはとんでもなくスケベだ。恥ずかしがる俺を見て心底悦ぶ。昔からずっとそうだった。 彼は身を起こして下着を脱ぐと、スカートを捲り、反り返るほどに勃起した雄を自らの手でゆるゆると扱き始めた。 「……これが欲しい?」 熱を孕んだ朔ちゃんの低い声が、俺をさらに追いつめる。それを欲するかのように腹のなかがじわりと疼く。それで身体を穿たれることを期待して、心臓がうねるように鼓動する。 「なぁ、言えよ」 「う……うぅ……」 「馨、言えって……俺を求めろ……」 顔がこれ以上にないくらい火照っている。かろうじて残っている理性が、はしたない欲求を口走るのを躊躇わせていた。けれども、欲しい。欲しくて欲しくてたまらなくて、今にも泣きそうだった。 ガクガクと震える手で自らの尻肉を広げ、十分すぎるほどに解されたアナルを朔ちゃんに見せた。さっきもまじまじと見つめられていたけれど、朔ちゃんは右手を緩慢に動かしながら、じっとそこを凝視していた。その目はひどく雄臭く、灼かれてしまうのではないかと思うほどの熱を迸らせている。素直に、格好いいと思った。 「朔ちゃん、ここに入れて……」 か細い声でねだる。が、そんなのじゃダメだと言いたげに、朔ちゃんはかぶりを振った。意地悪で、変に我慢強い彼に反抗できる余裕などあるはずもなく、俺は半ば涙声になりながら、みっともない言葉を付け足した。 「やだ……っ、おちん、ちん頂戴……、俺のおしり、いっぱいにしてぇ……っ!」 朔ちゃんは満足げに口元を歪めると、ペニスを入り口に宛てがった。それだけで全身が歓喜と興奮でぞくぞくと震え、吐息が漏れ出た。 彼を見つめ、促すように名前を呼べば、かたちの良い目が愉しげに細まった。と同時に先端がめりっと俺のなかに入ってくる。思わず身体がひくりと跳ねた。 「ほら、力め……じゃないと入らねぇ」 「んっ……うぁ……!」 言われたとおりにすれば、朔ちゃんはゆっくりと腰を進めてきた。みちみちと生肉を抉るような音と共に、襞をめいいっぱいに広げられる感覚と、息がつまるほどの圧迫感、そして熱い異物感が押し寄せてくる。おのずと背中が仰け反り、呻くような声が迫りあがってきた。

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