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第19話

「うぁ……っ! あ、ッ……はぁ……っ」 朔ちゃんの性器は、俺が過去に身体の関係をもったどの男のよりも、長くて太かった。本人も自分のそれが立派だと自覚しているので、今夜も息を乱し顔を歪めている俺を見下ろして、誇らしげに笑っていた。 「……もうちょいだ」 「はっ、ぁ……んぅ……」 根元まで埋めた朔ちゃんは動きをとめ、俺を抱きしめてきた。ぜぇはぁ、と苦しげで艶やかな息遣いが耳朶に吹きかけられ、胸がぎゅっときつく締めつけられる。 朔ちゃんと、深く繋がっている。彼の一部が俺のなかに入り込んでいる。この時を待っていたと言わんばかりに、肉は朔ちゃんをねっとりと食み、じっくりと味わうように蠢いていた。 「……火傷しそうなくらい、熱いな」 頬やひたい、それから首筋にキスをしながら、朔ちゃんは陶酔しきった声で囁いてくる。「入れただけなのに、もうイキそ……」 「ん、っ……出していいよ……」 ずん、と最奥を穿たれた。その強烈な刺激に眼前で白いハレーションが起き、俺は首を大きく仰け反らせる。寒くもないのに歯がカチカチと震えた。それからまた、激しく奥を突かれる。濁音まじりの嬌声を飛び散らして善がる俺の耳元で、朔ちゃんもまた熱い吐息を混ぜ合わせたとびきりかわいい声を、ぽろぽろとこぼした。 「あっ、は……かおる、イく……ッ!」 「あぁっ、アッ……さくちゃ……」 腹のなかに叩きつけるように吐精され、わずかに鈍い痛みを感じた。が、それ以上に、腸壁が溶けそうなほどの熱が広がり、その感覚に頭のてっぺんから足の爪先までぞくぞくと震えた。再び、頭の中が弾けるように真っ白になり、快感を伴う排泄感が下腹部で暴れる。くたりと垂れた俺のペニスは、前立腺への刺激だけで透明な体液を吐き出し、貧相な腹とスカートを汚した。 「はぁ……はぁ……んぅ……」 互いに高みにのぼりつめ、肉体を弛緩させてぐったりとしていたが、やがて朔ちゃんは俺の唇を甘噛みしてきた。そのまま舌の侵入を許し、仔猫がミルクを舐めるような舌遣いで、彼とつかの間、戯れる。くすくすと笑い合い、砂糖をほんの少し溶かしたような味がする唾液を交換し、しっとりと抱擁しあう。 程なくして、朔ちゃんはおもむろに律動を再開させた。彼の屹立は硬さを取り戻しており、張りだした亀頭でぐりぐりと結腸を責められる。腹の奥から火花が散るような快楽が次から次へと生まれ、俺は顔をぐしゃぐしゃにして甘く悶えた。 「あんっ、あんっ……はぁ、……アアッ……」 「……かおる、ッ……」 「んぁ……さくちゃ……、だめっ……あ、また……!」 背中が大きくしなり、電気ショックを与えられたかのように汗みずくの身体はびくびくと震える。早くも迎えた三度目の絶頂は、ドライオーガズムだった。男性器はしなびたまま、なかの刺激だけで女性のように達した。何度経験してもなお強烈で、叫びたいほどに気持ち良くて、病みつきになる……。

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