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理不尽な恋が終わる刻 16(雪夜)
夏樹さんに触られるのは久しぶりだったから……めちゃくちゃ……気持ち良かった……ですっ。
一瞬気を失ったが、咳き込んだせいで意識が戻った。
絶頂の余韻に浸りながら肩で息をしていると、
「大丈夫?はい、水。飲める?」
手を洗って戻ってきた夏樹が、雪夜にペットボトルを渡してきた。
力が入らないのを見越して、ご丁寧に蓋を外してくれている。
「ん……っ」
手が震えるせいで、上手く口に入らず水が零れた。
慌てて拭おうとすると、夏樹に止められた。
「なかなかいい眺め……」
「何言って……ぁっ……」
夏樹が首元に零れた水を舐めとった。
「っん……もうだめですっ!!」
それ以上されたら、また反応しちゃうっ!!
続きをして欲しい気持ちはあるが、なぜか今日は疲労感が半端ないので今触られると確実にすぐ意識を飛ばしてしまう……
それは困る。まだ夏樹さんと話していたい……
夏樹の口に手を当てて、必死に抵抗する。
「そんな顔で言われてもなぁ……」
あ~頑張れ俺の理性……
夏樹が横を向いて呟いた。
「……?」
「いや、なんでも」
苦笑しながら隣に座ると、雪夜の肩に腕を回してきた。
「スッキリした?」
「はい……すみません……」
えぇ、スッキリしましたともっ!!
出していいって言われたとはいえ、ホントに夏樹さんの……手に……ぁあああああ俺何やってんのぉぉおおおおおお!!!
冷静になってくると、今度は自分の痴態に恥ずかしさがこみ上げてきた。
夏樹の顔が見られず、膝を抱えて顔を埋める。
「俺だけ……してもらって……夏樹さんの手汚しちゃって……」
「あぁ、俺が触りたかっただけだから、気にしなくていいよ」
触りたかった?何で……っていうか、俺は気持ち良かったけど、夏樹さんは……
「夏樹さんは……その……いいんですか?」
背中越しに時々当たっていた夏樹のソレも……硬くなっていたのを感じていた。
「あぁ、俺は大丈夫だよ……さすがに病み上がりの雪夜にこれ以上は……ね……」
チラッとみると、夏樹のソコはもうすっかり落ち着いていた。
あれ……夏樹さんも大きくしてたと思ったのは俺の勘違いだったのかな……?
ぼんやり考えていると、夏樹が雪夜の首をツンツンと指で突いてきた。
「これ……襟首が広い服だと見えるから、気を付けてね」
キョトンとしている雪夜の顔を覗き込み、ニヤリと笑う。
「……ぁ……っ!!」
アレって……いわゆるキスマーク?をつけてたのか……っ!!
夏樹が首筋にしていたことの意味がようやくわかった雪夜が思わず首に手をやる。
「なんで……」
付き合っていた時には、そんな見えるようなところに痕をつけることはしなかったのに……
「ん~……だって雪夜が煽ってきたから?」
「ああああ煽ってなんかっ!?」
「あのメモ。あんなこと言われたら……したくなっちゃうでしょ?……風邪ひいててよかったね、そうじゃなかったら……どうなってたかわかんないよ?」
夏樹がにっこりと笑った。
あはは……夏樹さんその笑顔……怖いです。
っていうか、これ俺のせいなのぉお!?どうなってたか……って何ですか!?何されるところだったの!?いや、別に、期待してるわけじゃないけどっ!!
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