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どんなに暗い夜だって… 1-1(雪夜)

*** その日も俺は何の変哲もない日常を終えるはずだった。 朝起きて、大学に行って、授業を受けて、友達と遊んで、帰ってきて、寝る。 毎日繰り返されるその日常が、どれだけ貴重で大切なものか……身に沁みる時が来るなんて…… *** 「は?それ何の冗談……」  佐々木が食べかけていたポッチーをポロリと落とした。 「ははは……俺も冗談だと言って欲しい……」  昼食後、佐々木と相川に昨夜からの出来事を話した雪夜は、そのまま机に突っ伏した。 「おいおい、雪ちゃん!?大丈夫か?病院行く?」 「いや、眠たいだけだから……」 「っていうか、じゃあ雪ちゃん、昨日どこで寝たの!?」 「昨日っていうか、今朝は……ネカフェでちょっと休憩してから来た……」 「ぶわっっっかじゃねぇの!?何で俺らに連絡してこねぇんだよっ!!」  佐々木が珍しく雪夜に怒鳴った。  心配してくれているのはわかるのだが、今はあまり大声を出さないで欲しい……徹夜明けの頭に響く…… 「だって、事情聴取っていうの?あれが終わったのが今朝の6時過ぎだったし……俺も何がなんだかわかんなくて混乱してたし……」 「でも雪夜は巻き込まれただけなんだろ?なんでそんなに時間かかったんだ?」 「なんせ、相手が興奮状態で全然話にならなくて……ようやくまともに話せるようになったのが朝方だったからさ――……」 ***

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