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どんなに暗い夜だって… 2-8(雪夜)※

「雪夜、水飲んで」 「あ……はい、ありがとうございます」  お風呂で軽くのぼせたのか、ちょっとクラクラする。  夏樹から受け取った水を一気に飲み干して、またベッドに倒れこんだ。 「大丈夫?やっぱりのぼせちゃったか……」  夏樹が頬を撫でた。  水を触ったせいか、その指が冷たくて――…… 「ん……気持ちいい……」 「そう?なら、もっと触ろうか?」 「ぅん……」  夏樹の指が手が、頬から首筋、鎖骨と下がってきて、胸の突起を(かす)った。 「っん……」  軽く掠っただけなのに、何だかビリッときた……何いまの……? 「身体……熱いね……」  ひんやりとした夏樹の手がどんどん下におりていく……お(へそ)のあたりに差し掛かったあたりで、股間が疼いた。  のぼせたせいで落ち着いていたのに……このまま触られるとまた…… 「夏樹さん、もももういいですっ!!」  慌てて起き上がり、夏樹の手を止めた。 「何?もういいの?」 「はいっ、もう治りました!!ありがとうございましたっ!!」  これ以上触られると、また勃っちゃうっ!! 「そっか、じゃあ……」 「へ?」  夏樹がにっこり微笑んだかと思うと、雪夜の顎を掴んで上を向かせ、舌をねじ込んできた。 「っは……っ……ん、夏樹さんっ……」  久しぶりの濃厚なキスに、舌が蕩けそうになる。  でも……だから、そんなキスされたら俺…… 「だめっ……!!」  もっと続けて欲しいと思う気持ちを無理やり振り切って夏樹の胸を押した。 「何でダメ?」 「だって俺……また」 「勃っちゃう?」  夏樹が耳にフッと息を吹きかけた。 「ふぁっ……!?」  不意打ちに背筋がゾクッとして股間が反応してしまった。  急いで手で押さえたが、一旦元気になってしまったモノは簡単には静まらない……  顔が一気に熱くなる。  あ~もうっ!!何なの俺のこの身体っ!!これくらいで反応しちゃダメでしょ~!? 「俺……あの、これは違うからっ!」 「何が違うの?今ので勃ったんでしょ?雪夜、耳弱いよね」  夏樹がまた雪夜の耳元で囁いた。 「わ……わかってるのに何でっ……!?」 「そりゃ、雪夜をその気にさせるためだよ」 「その気?」 「そう……そろそろ雪夜を抱きたいんだけど、いい?」  夏樹の指が、雪夜の顎をすっと撫でた。 「……いいんですか?」 「ん?」 「だって……俺、迷惑ばっかりかけて……それなのに……抱いて貰ってもいいんですか?」  これだけいろいろと面倒見て貰って、迷惑ばかりかけているのに、その上抱いて欲しいとか……そんな我儘――…… 「俺が雪夜を抱きたいんだよ」  夏樹が苦笑しながら、雪夜の手を自分の股間に導いた。 「っえ……」  夏樹のソコは、もう雪夜よりも遥かに屹立していた。  うそ、硬っ……なんで?夏樹さんキスしただけなのに…… 「雪夜が変態なんだったら、俺はどうなるんだろうね。俺は雪夜のそんな顔見るだけでもうこんなになるけど?」 「そ……んな顔って……」 「照れて真っ赤になってるとことか、キスで蕩けてる顔とか、潤んだ瞳で俺を見上げて来る顔とか……」 「わぁぁーーあーあーもういいですぅううう!!!」  そんなの初めて聞いたっ!夏樹さんが俺の顔でそんな……になってるなんて……っていうか、俺そんな顔してたの!? 「ほら、また。その顔……可愛い」 「っぅん……っ……はっ……ん……っ」  夏樹が、口唇に触れるだけの小さいキスを繰り返す。  嬉しいけどもどかしい……もっとさっきみたいにして欲しい……  雪夜が夏樹の首に腕を回して口唇を少し開けると、夏樹がクスッと笑って口唇をなぞった――…… ***

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