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どんなに暗い夜だって… 3-1(夏樹)

――prrr 「あ、佐々木です」 「あぁ、昨日はどうも。何なのあのメール……」 「そのまんまですけど?」 「あのねぇ……俺だっていろいろあるんだよ!?俺が一体どれだけ頑張って自制してたか……あんなことがあった後だから、怖がらせたくなくて、こっちはずっと生殺しだったんだぞ!?ちょっとは()(はか)れよっ!!」 「あはは、でも、そんなに自制する必要なかったでしょ?」  電話の向こうから佐々木がのんきに笑う声が聞こえた。 「ぅ~ん……まぁ、ちょっと危うかったけどね……」 「そこをどうにかするのが愛の力でしょ」 「他人事だと思って簡単に言ってくれるよね、ほんと……」 「他人事だと思ってないから口出ししてんですよ。そうじゃなきゃ他人の色恋に口出しなんてしません。でもまぁ、今回のことについては、あいつのことをちゃんと大切にしてくれてる証拠だろうから……いいですけど」 「あぁ、それはもちろん。心から愛してるよ」 「ぶはっ!!俺にそんな好い声で言わなくていいっすよっ!!」 「なに?ドキッとした?」  別にお前に言ったわけじゃねぇよ!と思いつつ、佐々木の反応が面白かったのでちょっと揶揄(からか)う。 「うるさいっ!これだから女たらしは……あ、ちょっと1つだけ文句言っていいですか!!けしかけたのは俺だけど、ちょっとやり過ぎ!!雪夜、今日全然使い物にならないじゃないですかっ!まだプリントやノートが山積みなのにっ!!」  今朝の雪夜の様子を思い出す。  昨夜の熱が残る身体で、アンニュイな表情(かお)に頬をほんのり染めて……可愛かったな~……じゃなくてっ!! 「あ~……あれでも手加減したつもりなんだけど……ごめん。手伝ってやって」 「言われなくても手伝ってますけどっ!!!」 「いつもありがとうございます!今度飯(おご)るからっ!!それじゃなるべく早めに迎えに行くから、頼んだよ」 「焼肉っ!ステーキ!!それ以外認めないっ!!じゃ、よろしく――……」  夏樹は、切る直前にしっかりと肉アピールをしていった佐々木の抜け目のなさに呆れて思わず携帯を見つめた。  ……こいつ最近俺が年上だってこと忘れてないか?  佐々木とは、雪夜が熱を出して倒れた時に連絡先を交換して以来、何かと雪夜関連で連絡を取り合っている。  どうやら佐々木の姉の友人が昔夏樹と付き合ったことがあるらしく(名前に聞き覚えがないので、その友人の嘘かもしれないが……)姉からいろいろと俺の良くない噂を聞かされたとのことで、佐々木の俺に対する評価はめちゃくちゃ悪い。  それでも、雪夜を大切にしたいと思っている気持ちは認めてくれているようで、何かと協力してくれている。  まぁ……おそらく雪夜のためだけではないだろうけどな……  雪夜は今回の件でだいぶ不安定になっていたので、押し倒されることにも拒否反応が出る可能性が高い。  そう考えて、夏樹はこの数週間雪夜を抱くことを躊躇(ちゅうちょ)していた……       佐々木に煽られて雪夜に手を出したものの、案の定フラッシュバックしてしまった時は自分の軽率さに反吐(へど)が出そうだった。  まぁ……結果的には何とかなったけれども――……    昨夜の雪夜は、凄まじくエロ可愛かった。  なんだあれ!!  俺何回搾り取られたんだろう……  自分でも少々やり過ぎた……とは思う。  でも、あれだけ乱れまくる雪夜を前に、よくまぁ自制心が残っていたものだと自分を誉めたい――…… ***

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