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どんなに暗い夜だって… 3-6(夏樹)

 その後も、散々吉田と惚気(のろけ)話やくだらない話をしてちょっとスッキリした夏樹は、23時頃帰宅した。  扉を開けても、真っ暗で誰もいない。  そりゃそうだ……  ちょっと前まではこれが当たり前だった。  でも、今は、雪夜と一緒に帰って来るのが当たり前になっていて――……  家にも自分の隣にも雪夜がいないのが淋しい――……  風呂から出てベッドに倒れこみ、ふと自分の手を見た。  昨日の雪夜の熱がまだこの手に残っている。  雪夜の匂い、啼き声、甘いキスの味まで鮮やかに思い出せる。  白い肌が興奮してピンク色に染まって、快楽に溺れて涙目で()がって、あんなに激しく俺を求めていたクセに……俺の手から逃げようとするなんて――……  予想外過ぎるよ、雪夜――……  雪夜のことを考えていると、なんだか笑ってしまった。  本当に……雪夜は毎回、予想の斜め上をいってくれるから……  次はどんな反応をするのか楽しみで目が離せない。  雪夜を手放すことなんて……絶対にできそうにないな――……    さて、明日どうやって連れて帰ろうかと思案していると、電話が鳴った。  佐々木の名前を見て、慌てて出る。 「あ、夜分にどうも。起きてましたか?」 「あぁ、起きてるけど、どうしたの?雪夜に何かあった!?」 「ありました。お迎えの時間ですよ。今から家まで来てください。大学から徒歩で10分くらいなんで。場所はメールしますね。じゃ!――……」 「え、ちょ、待っ――……」  切れてるしぃいいいいい!!!  お迎えの時間ってなんだよ!?雪夜がどうかしたのか!?  とにかく、服を着替えてすぐに家を出ると、タクシーを捕まえてメールの場所まで急いだ。 ***

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