「……雪夜が好きだよ……」 「……ぇ……」 　唐突な告白に驚いて、思わず口が開いた。 　自分でもものすごく間抜けな顔をしているのがわかる。 　え、なになに！？今の流れでなんでそうなるの！？ 　雪夜を見つめる夏樹の瞳が真剣なので、冗談というわけではなさそうだけど……どんな顔をすればいいのかわからず、思わず視線をキョロキョロと動かす。 「大好き……愛してる……」 　夏樹が少しずつ距離を詰めてくる。 　『好き』『可愛い』はよく言ってくれるのでだいぶ聞き慣れてきたが、『愛してる』は行為の最中くらいにしか言ってくれないので、反射的に顔を上げてしまった。 　あ、まずい…… 　徐々に熱を帯びて来る瞳に吸い込まれて、視線が逸らせなくなった。 「……ぇ……ぁの……」 　嬉しさと恥ずかしさが混ざって、顔が熱くなる。 　そこに夏樹の手が伸びてきて、雪夜の顎をスッと撫でた。 「……っん」 　触れられたところと首の後ろあたりがゾワゾワっとして、小さくピクリと身体が跳ねた。 「そうやって、ちょっと触っただけで反応しちゃう敏感なところが好き……白くて滑らかな肌も、この肌が俺の指に吸い付いてくるところも好き……柔らかくてサラサラの髪も好き……ずっと触っていたい……すぐに真っ赤になって涙目になるところも好き……耳が弱いところも好き……パニクってあわあわしてるところも好き……気持ち良くなってきたら眉が下がるのも好き……可愛い鼻も好き……」 「ちょ……夏樹さん……っ！？」 　夏樹が、優しく穏やかな口調で言葉を紡ぎながら雪夜の顔を撫でていく。 　触れるか触れないかの微妙なソフトタッチが、なんだかくすぐったいような気持ち良いような……もどかしくて切ない…… 「抱きしめて息が出来なくなるくらいめちゃくちゃキスしたい……半開きで俺を誘惑してくる柔らかくてプルンプルンのこの口唇食べちゃいたい……」 　夏樹は雪夜の口唇を触っていた指で顎を少し押し口を開けさせると、グイッと下歯の裏に親指をねじ込んできた。 　奥まではいかずに、舌裏を指で弄ぶ。 　雪夜は口を閉じれないので、口の端から唾液が溢れ出した。 「この可愛い口に舌突っ込んでかき回して俺の唾液飲ませたい……」 「ふぇっ！？」 　口調は同じなのに、急に内容が怪しくなってきた。 「ふやけるくらい身体中舐めて口付けして、俺の印いっぱいつけて、蕩けさせたい……」 　自分の耳を疑って目を丸くする雪夜に夏樹が妖艶に微笑む。 　その笑みと言葉に、胸が高鳴り、下腹が熱くなった。 　夏樹さん何かスゴイこと言ってないかっ！？っていうか、あの……最中でもないのになんでそんなに色っぽいんですかっ！！ 「待っ……ちょ、夏樹さんストッ……ぁんっ……っ！？」 　怖くなってきて、夏樹の口を抑えようとしたが、それよりも早く夏樹の手が背中に回ってきて、服の上から背筋をツツーっと上から腰まで撫で下ろした。 　直接触られたわけでもないのにビリッと電気が走り、声が漏れそうになって思わず自分の口を抑える。 　なんで……！？ほとんど触れられていないのに……夏樹さんの指がなぞった場所が火傷をしたみたいに熱い…… 「雪夜のここに……俺のを奥まで突っ込んで、俺でいっぱいにして、激しく出し挿れして、雪夜の声が枯れるまで啼(な)かせて善(よ)がらせて、トロトロのぐちゃぐちゃになるまで抱き潰したい……」 　夏樹の声が、低音の吐息混じりになった…… 　えっっっっろ！！！！！ 　前に女の子達が耳が孕(はら)むとかわけのわからないことを言っていたけど、もしかしてこういうことを言うのかもしれないっ！！ 　だって、夏樹さんにそんなこと言われたら…… 　下腹と奥の方が疼いて、雪夜のモノがパンツの中で完勃ちした。辛い。動悸がして呼吸が苦しくなる。こんな状態になってることを夏樹に知られたくなくて必死に手で股間を抑えた。 　夏樹はそんな雪夜に構わず言葉を紡いでいく。 「雪夜の胎内(なか)ってね、俺が挿入(はい)るといつもゆっくり絡みついてきて、どんどん奥に連れて行こうとするんだよ」 　ベッドの上でペタンと座り込んでいる雪夜の足先から、中央に向けて指が滑って来る。 　え、俺の話？俺の中って……もしかして…… 「出し挿れする時に雪夜のいいとこに当たると、ぎゅって締め付けてきてめちゃくちゃ気持ちいいし……イったら胎内が痙攣して感度がもっと良くなるから、動かさなくてもぎゅうぎゅう締めてくるし……トんでても俺が胎内から出ようとしたら嫌がって絡みついて離してくれないの……それがすっっっっっごく可愛くて大好き……」 「っっ！？」 　うそ……俺の中ってそんななの！？ 　行為の最中の自分の身体のことなど……ましてや胎内のことなど、考えたこともなかった…… 　俺って……やらしいっ！！でも……夏樹さん俺でちゃんと気持ちいいんだ……良かった…… 　そんな卑猥な話を聞くのは恥ずかしいけど夏樹さんが俺の中で感じてくれてるのがわかって嬉しかった。 「ぁっっっ……！？」 　夏樹が、一瞬気が逸れた雪夜をグイッと抱き寄せた。 　あ、だめっ……今密着したら…… 「雪夜の胎内に……俺の熱を思いきりぶちまけたい……」 「ひ……っっ！！」 　耳に口唇をつけて、少し掠れ気味の甘い低音で熱い吐息と共に囁かれて、雪夜ははちきれんばかりに膨らんだ自分の股間のモノがパンツの中をびしょびしょにしたのを感じた。 　どうしよう……イっ……っっ！？ ＊＊＊