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どんなに暗い夜だって… 3.5-4(雪夜)
「……とかね?まぁ、今のはほんの一部だけど……」
夏樹がパっと身体を離した。
「え~と……雪夜、大丈夫?」
なんて白々しい!!!!!大丈夫なわけないですよっっっ!!!
夏樹が、雪夜の状態に気づいていないわけがない。
言葉だけで果てた自分の股間を見るのも怖くて……雪夜が茫然としていると……
「……イった?」
夏樹が艶めかしく笑いながら雪夜の頬を撫でた。
「…………っっ!!!」
その瞬間、一気に全身が熱くなって頭から湯気が出そうになった……
恥ずかしいっっっ!!!
股間がヌルヌルで気持ち悪いっ……洗いたいっ……着替えたいっ……!!
頭の中が真っ白になって、本能的にその場から逃げようとした。
「おっと、雪夜危ないってっ!」
急いで立ち上がろうとしたら、力が入らなくてベッドから落ちかけた。
夏樹に抱えられてまたベッドに戻される。
こ……腰が抜けるってこういうことっ!?
「何?どこいくの?」
「……っっ……!!」
自分の痴態にパニクって、喉に何かが詰まったようで言葉が上手く出てこない……
やたらと冷静な夏樹の様子が余計に雪夜の羞恥心を煽った。
「え、もしかして声が出ないとか?」
「~~~~っっっ!!!」
夏樹の顔がまともに見れなくて、早く夏樹の腕から逃れようとジタバタする。
「あ~はいはい、わかったわかった。そんなに暴れないの」
いやだっ!こんなみっともないところ見られたくないっ!!離してっっっ!!
「よしよし、落ち着いて。痛いってば雪夜」
暴れれば暴れるほど、夏樹に強く抱きしめられた。
夏樹の胸をめちゃくちゃに叩いていた手も、簡単に片手でまとめて封じられ、頭をグイッと抱き寄せられたと思ったら、夏樹の肩口に埋められていた。
ぅぅ……力の差っっ!!!
「雪夜、大丈夫だから。泣かないで」
夏樹に言われて初めて自分が泣いていることに気が付いた。
涙って……恥ずかしくても出るんですね……
どんなに抗っても勝てないので、もうなんだかどうでもよくなってきて力を抜いた……
「……っ……っく……っっ……ひっく……っ」
恥ずかしいのに……夏樹さんの腕の中が心地いいとか……股間濡らした状態で何抱っこされてんだとか……夏樹さんいい匂いとか……服越しに聞こえる夏樹さんの鼓動が少し早く感じるとか……全然思考がまとまらない……
「あ~可愛い……」
夏樹が雪夜の髪を撫でながらボソリと呟いた。
「……っ!?」
「落ち着いた?」
「……はぃ……」
落ち着いたというより……暴れ疲れた……
夏樹の顔をまともに見れなくて、ゴシゴシと目をこすり、不貞腐れたように横を向いた。
「もぅ……そんな顔されると実践したくなるからダメだよ」
「……ぇ?」
「恥辱 に打ち震えて泣くとか……俺を余計に興奮させるだけだからね?」
「……」
ね?とか優しく言われても……内容っっ!!!
「とりあえず、さっきのはほんの一部ね。あれでもまだマイルドなのを選んだつもりだったんだけど、雪夜には刺激が強すぎた?お望みなら、もっと卑猥でえげつないのとか、エロイのとか、直接的なのとかもあるけど?」
夏樹さんが真面目な顔で雪夜を覗き込む。
え、あれでマイルド!?結構、いや十分エロかったですけどっっ!?
あれ以上スゴイのとか、無理ぃいいい!!!
急いで頭を横に振る。
「はいはい、わかったって、そんなに振ったら倒れるよ?」
苦笑しながら夏樹に頭を止められた。
そのまま顔を上に向けられる。
直視できなくて視線が泳いだ――……
***
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