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どんなに暗い夜だって… 4-7(雪夜)※
「夏樹さ……ん……っ……待っ……っ……」
「待てない……」
首筋を舐めたり吸ったりしながら、夏樹が指で後ろをほぐしてくれる。
「や……ぁっ……そこダメっ!!……っん」
夏樹の指が気持ちいい……良すぎて困る。
すでにさっきイきかけていたので、少しの刺激でイきそうになる。
「口ではダメって言っても、ここはヒクヒクして嬉しそうに吸い付いてきてるけど?」
夏樹が指で胎内 をかき回した。
「はっ、ぅ~……っちがっ……イっちゃうからっ……ちょっと待っ……て……」
夏樹の肩をぎゅっと握る。
「イってもいいよ?我慢しなくていいから、一回出しちゃいな」
そういうと、夏樹が雪夜のモノを少し強めにしごいた。
「あっ!!やんっ触らなっ……っん……ぁあ゛っっっ!!!」
もう限界がきていた雪夜は、数回しごかれただけで果ててしまった。
「ぁ……っ……はぁっ……はぁっ……」
まだ一回出しただけなのに、やけに疲れる。
その前のキッチンでの刺激がちょっと雪夜的には強すぎた。
慣れないことをされると、緊張するので余計に疲れてしまう。
もうちょっと体力つけなきゃ――……
***
「雪夜、挿れていい?もうちょっと待とうか?」
夏樹が、雪夜の喉元を愛撫しながら聞いてくる。
Sモードになっていても、そういうところは優しい。
これが週末なら問答無用で挿入 ってくるのに、平日はちゃんと次の日のことを考えて、雪夜に合わせてくれる。
「ぁっ……ん……らいじょうぶ……」
「……いや、それ大丈夫じゃないね。明日も大学だから今日はもうやめておこうか」
雪夜がへばっているのを見て、夏樹が苦笑する。
「ぇ……らめっ!」
気を使ってくれるのは嬉しいけど、夏樹さんがまだイってないしっ!
夏樹の首に腕を回して、しがみつく。
「っん?なぁに?」
「……夏樹さん……マダでしょ?」
「あぁ……いや、俺はこうやってイチャイチャしてるだけでも満足だか……らっ!?」
さっき、夏樹さん限界って言ってたくせに……!
意を決して、夏樹の股間に手を伸ばし、屹立した夏樹のモノを取り出した。
ぅぅ……大きい……
未だに直視はできないが、何回か夏樹と一緒に擦りあいをしたので、触ることはできるようになった。
「夏樹さん……シて?」
雪夜は自分から夏樹のモノにお尻を擦りつけていった。
自分で挿れるのはまだキツイけど、擦りつけるくらいは……俺にだってできるんだからねっ!
「っっっ!!!あぁ~もぅっっ!!どこで覚えてくるのそんなことっ……」
夏樹の頬が少し上気して、興奮を隠すように顔を顰 めた。
「挿れてくれないの?」
そろそろ俺の羞恥心が限界に近いんですけどっっ……!!!
半泣きで夏樹をチラッと見上げた。
「~~~~っ!!雪夜……最近俺の自制心がどこまで保 つか試して楽しんでない?」
夏樹が小さく唸りながら、ちょっと怒ったような不貞腐れたような顔で雪夜を見た。
「そ……そんなつもりはないですよっ!?というか……もぉ~~!!これが今の俺の精一杯なんだから、あんまり虐めないでくださいよぉ……っ!!!」
はい、もう俺が無理ぃ~~!!!
赤くなった顔を隠すように、両手で覆った。
これでダメなら、もう今日は諦めよう……誘惑って難しい……
「んん゛っ!?……むしろ虐められてるのは俺の方だと思うんだけどな――……じゃあ雪夜、ゆっくり息吐いて」
夏樹が小さく吹き出しクスクス笑いながら、雪夜の秘部に自分のモノを当てがった。
「っ……っ~~~っっ!!」
何回ヤっても、一番最初に押し入ってくる瞬間は慣れない。
「こぉら、呼吸 止めちゃダメだよ。さっきの勢いはどうしたの?」
「ぅ~~~~っっっ!!!」
わかってるんだよ?でも、胎内 に挿入ってくる圧迫感が……苦しくて……呼吸が止まっちゃうんだもん……っ
勝手に出て来る涙を枕で隠して小さく頭を振った。
「雪夜、顔見せて」
夏樹が枕を退けて雪夜の涙を舐めとると、額、頬、耳、口唇と、軽いキスをたくさんしてくれた。
もう多分、これがクセになっているのかもしれない……
いつも挿れる時にはこうやってキスで気を逸らしながらしてくれるから……
夏樹がキスをしてくれないと、上手に呼吸をすることが出来ない。
「っん……ぁっ……はぁ……っ」
雪夜が呼吸ができるようになったタイミングで、夏樹がゆっくりと押し入って来た。
「よしよし、いい子だ。……ありがとね、雪夜」
雪夜のイイところを過ぎた辺りまで挿れると、夏樹が動きを止めて、雪夜の額にチュッとキスをした。
「ぁ……んっ……ぇ?……っ」
胎内が夏樹で埋め尽くされて、呼吸が浅くなる。
ありがとって……何が?
「俺のために頑張って誘ってくれたんでしょ?」
夏樹が、緩々と動く。激しいピストンも気持ちいいけど、この緩い動きの方が、胎内に夏樹をはっきりと感じられるので好きだ。微妙な刺激に下腹がきゅっとなる……
「だっ……て……んっ、夏樹さ、っ……も気持ち、よくっ……なって欲しぃっ……っぁあ゛」
雪夜の気持ちイイところを、ゆっくりと繰り返し刺激され、またイきそうになる。
「あ~もうめちゃくちゃ可愛い……ヤバいすぐイきそう……」
夏樹が雪夜の肩を甘噛みしながら、余裕のない声で呟いた。
「なつ……さんっ……イク?」
「ん……っちょっと激しくしていい?」
夏樹がフッと笑って軽くキスをした後、激しく揺さぶってきた。
「……っん、っあ!……はっ、ん、夏樹さ……っや、俺……イっ、ちゃぅ、ぁあア゛っ……!!」
「っ……俺もっ……っっ!!」
***
雪夜は少し前に夏樹に、好きな人に欲情するのは普通のことだと教えてもらった。
しかも夏樹は、それを教えるためにわざわざ自分が雪夜に欲情している内容も赤裸々に話してくれた。(赤裸々すぎた気もするけど……)
自分はゲイだから、みんなと違う……とコンプレックスを抱いていた雪夜にとって、自分にもみんなと同じ『普通』があるということがわかって、ちょっと安心した。
それ以来、雪夜は少しずつ自分の気持ちに素直になれるようになってきた。
セックスをする時も、恥ずかしいのは変わらないが、雪夜が思っていることを素直に伝えると夏樹が喜んでくれる。
それが嬉しい。
だから、なるべく言葉にして伝えるように努力している。
夏樹は一度自分の頭の中をぶちまけたせいか、雪夜に対してエロいことを言ったり、したりするのに遠慮がなくなり、以前よりもスキンシップがエロ甘くなった。
たまにその甘さに耐えられなくて、雪夜の頭がオーバーヒートするけれど……
ちなみに、雪夜が自分からセックスに誘う時のセリフは……大学のゼミ仲間達に聞いた『彼女に言ってもらいたいセリフ』を参考にしている――……
***
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