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どんなに暗い夜だって… 番外編-3(雪夜)
――この二日間、相川と佐々木と一緒にくだらない話をしたり、カラオケやゲームをしたりして遊び倒した。
考えてみたら、雪夜が倒れてから毎日夏樹が大学まで送迎してくれていたので、大学帰りに佐々木たちと遊びに行くこともなくなっていた。
夏樹と一緒にいられることは嬉しいし、佐々木たちとは大学で会えるので特になんとも思っていなかったが、夏樹といるとどうしても緊張するので、気を使わずにすむ二人と遊ぶのは楽しかった。
以前、夏樹さんはそんなこと気にしなくていいって言ってたけど、やっぱり夏樹さんだって……
夏樹さんは俺を心配してずっと傍にいてくれてるけど、出張に比べたら夜飲みに行くくらいどうってことない。
夏樹さんが帰ってきたら、もう送迎はしなくても大丈夫だから、たまにはお友達の吉田さんたちと飲みに行ったり遊んだりしてくださいって言おう!
俺の面倒ばかり見てたら夏樹さんも息が詰まっちゃうよね――……
***
それにしても……昨夜の佐々木たちにはびっくりした。
俺は酔っぱらっていたからあまり覚えていないけど、二人で揉めてたし……ちゅーしてたし!
前から相川がふざけて佐々木にキスをすることはあったけど、昨夜のはそういうのじゃなかったと思う。
――「あいつらに彼女がいないのは雪夜のせいじゃないと思うよ。俺が思うにあの二人……いや、そのうちにわかるだろ。たぶん――……」
ふと、以前夏樹さんが言っていた言葉を思い出した。
あの二人……そういう関係だったのかぁ……
何だよ、水臭いなぁ。そうならそうだって言ってくれればいいのに……少なくとも、俺が夏樹さんと付き合ってるってわかった時に言うことだってできたはずでしょ?
ちょっと口唇を突き出し、頬を膨らませた。
知らなかったのが俺だけということがちょっと面白くない。
でも、それよりも……仲直りできたのかなぁ~……
佐々木の家を出る時に、ちゃんと二人で話し合うように言っておいたけど……
雪夜にとって、相川と佐々木は生まれて初めての心を許せる友達だ。
それまでは、親しい友達は作らず必要最低限の会話しかしていなかったので、学校帰りや休日に友達と遊ぶということもなかった。
友達と遊ぶ楽しさは二人に出会って初めて経験したのだ。
二人とも大切な友達なので、これからもずっと仲良くして欲しいと思っている。
そのためにも、二人には早く仲直りをしてもらわなければ困る。
まぁ、あの二人は幼馴染だし……お互いのこともよくわかってるから、きっとすぐに仲直りできるんだろうけど……
幼馴染かぁ……
幼馴染ってなんだか特別な友達って感じがするよね。
小さい頃からお互いのことを知っていて、一緒に成長して、いっぱいケンカして、いっぱい遊んで――……
幼馴染と呼べるような友達がいない雪夜にとっては、あの二人の関係がちょっと羨ましい……
そんなことを考えながら、早朝から開いている駅前のスーパーに入った。
***
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