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どんなに暗い夜だって… 番外編-6(夏樹)
「あ、もしもし佐々木君?夏樹だけど、雪夜何してる?」
「え?雪夜ならもう帰りましたけど?」
「え?そっちにいないの!?」
「夏樹さんが夕方には帰って来るって言ってたから、今朝帰りましたけど……ってもしかして、夏樹さんまだ帰ってないんですかっ!?」
「あぁ、線路内に倒木があったとかで、遅延してたから……何回か雪夜にメールしたんだけど返事ないし、今も電話しても繋がらないし……」
「マジっすか……あ~、じゃあ、俺今から様子見てきましょうか?」
「いや、もう駅に着いたから大丈夫。変わったことはなかった?」
「あの後はすぐに泣き止んだんで大丈夫でしたよ」
「そう、ありがとう、世話かけたね」
「いえいえ。それじゃ――」
佐々木との通話を切る指が小さく震えた。
もう家に帰ってるって?じゃあ、なんで繋がらないんだ?充電切れてるとか……?
それとも――……
夏樹は、タクシー乗り場に並ぶ人の列をチラッと見ると、土砂降りの空を見上げてため息を吐いた。
走るか――……
鞄をスーツの上着で包んで、雨の町に走り出した。
***
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