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どんなに暗い夜だって… 7-1(雪夜)
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暗闇は怖い……
木々のざわめき、獣の鳴き声、水のせせらぎ……
真っ暗な中から聞こえて来る音
そこにあるはずなのに……すぐ近くにいるはずなのに……
目を開けても何も見えない
怖い……助けて……っ!
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「――というわけで、遊園地行くぞ」
「へ!?遊園地!?」
相川が重々しい口調で放った言葉があまりにも意外すぎてマヌケな声が出た。
それというのも……
雪夜は緑川先生の一件で、先ほどまで夏樹さんと佐々木(と、おまけの相川)にお説教されていたからだ。
***
――緑川先生の一件から数日後、雪夜が落ち着いてきたのを確認した夏樹が、笑顔で雪夜を呼んだ。
「雪夜、ちょっとそこに座ろうか」
恐る恐る夏樹の前に正座をした雪夜は、神妙な顔つきで夏樹の言葉を聞いた。
「今回のことは俺もかなり怒ってます」
「……はい」
やっぱり……怒ってるよね……
「雪夜から言ってくれるのを待つなんて悠長なこと考えてたせいであんなことになったんだから、これからは気になったらさっさと聞くことにする」
「はい……」
「俺の判断ミスで危ない目に合わせちゃって……本当にごめんね」
「え?」
……んん?なんで夏樹さんが謝るの……?
「ちわーっす!入るよー!」
雪夜が夏樹の前で正座してしょんぼりと項垂れているところに、佐々木と相川がやってきた。
夏樹が連絡をしてあったらしい。
「おっとぉ?珍しい光景だね」
相川が、夏樹に叱られる雪夜を見て、若干楽しそうな声を出す。
「まぁ、今回のはさすがにな……俺も怒ってるし――」
相川は佐々木から聞いて知った程度なのでまだはっきりと内容を把握できていない様子だったが、佐々木は夏樹さんと同じように、気づいた時にもっと早く事情を聞き出しておけばよかったと自分を責めていた。
夏樹さんも佐々木も、怒っているのは雪夜にではなく、自分自身にだった……
二人が優しすぎて、申し訳なさが倍増する。
全ては雪夜がひとりで何とかできると勝手に突っ走った結果なのだから、二人は何も悪くないのに……
結局、夏樹と佐々木にやんわりと叱られている雪夜を、相川が隣で見物するというよくわからない状況になった。
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