563 / 715

夜明けの星 8.5-22(夏樹)※

――っん……もっとぉ……」 「ん?もっと、なぁに?」 「ちゃんとチュウして!」  口唇を掠るようなキスばかりしていたせいで、()れた雪夜に怒られた。  だって、雪夜は軽いキスにしておかないとすぐにイっちゃうでしょ……? 「ごめんごめん。わかった。ちゃんと……ね?」  眉間を寄せて口唇を尖らせる雪夜に苦笑した夏樹は、雪夜の舌を絡め取ると、片手で雪夜の耳を弄りつつ、もう片方の手を雪夜の股間に伸ばした。   「んぇっ!?……ぁ、ふぁ、らめっ……んんっ……」  口腔内、耳元、股間……夏樹が一度に刺激するので、どれに反応すればいいのかわからず雪夜が軽く混乱して手足をバタつかせた。 「はいはい、暴れないの」 「っぁ、やらぁ……っ」  耳を愛撫しつつ囁くと、雪夜が夏樹の顔をグイっと自分の正面に持って来た。 「いや?もうやめようか?」  額をコツンと合わせて聞くと、雪夜が慌ててイヤイヤをする。 「や、ん……らめっ」 「やめちゃダメなんだ?」 「み、みは……っやぁだ……」 「耳はダメ?そかぁ……」 「っあ!ん……」  キスをしつつ耳元から首筋に指を滑らせた。  そもそも、本人は忘れているようだが、雪夜は全身敏感なので、どこに触れてもイイ反応を返してくれる。  が、反応が良すぎるので加減が難しい。    快感に混乱しつつもしばらくすると雪夜の顔が気持ち良さそうにぐずぐずに蕩けてきた。  もうほとんどトんでるな……  夏樹はフッと微笑んで雪夜の汗ばんだ首筋に口唇を這わせペロリと舐めた。 「っぁ……ん、ふぁ……っ!」  甘く噛んで少し強めに吸うと、雪夜が甘ったるく喘ぎながら軽く腰を浮かす。  そろそろ限界かな~?  雪夜の先端からはもう雫が溢れ出していた。  夏樹が自分のモノを雪夜のモノに擦り付けると、ピクリと雪夜の身体が跳ねた。 「な、なつきさ……っん、はっ、ぁん……」  意外にも雪夜は夏樹にしっかりとしがみついてくると、自分から腰を擦り付けて来た。  ん~、これは……無意識かな~……無意識だろうな~……けど……久々にしては腰の動きが……エロっ……!  やだもう!この子ったら誰にこんなの教わったの!?  って、俺しかいないけど……!  えっちのこと覚えてないくせに無意識に煽って来るのは変わらないんだね~……  何とも複雑…… 「……雪夜こっち見て?」 「っんん……!」  夏樹はキスで雪夜の口を塞ぐと、雪夜のモノから手を離して雪夜の後ろを弄り始めた。   「ん゛~~~っ!?」  浴室で解してあったので、だいぶ柔らかい。    とは言え……さすがに今日は挿れないけどね……  中を刺激しつつ、夏樹のモノと雪夜のモノを一緒にしごく。  今の雪夜はそれですぐにイくはずだ。  今日はそこまでにするつもりだった。  ……が…… 「っや、やぁ、なちゅしゃ……らめっ!」  ……ん? 「おしりらめよ?はいらないよ!?ゆちくん、おしりさけちゃうからぁ~!」  夏樹が指を挿れると、雪夜が慌ててしがみついてきて、夏樹の耳元で囁いた。  あれ?  一瞬精神年齢が子ども雪夜と入れ替わったのかと焦ったが……蕩けているせいで口調がいろいろ混ざっているだけのようだ。  ただ、浴室で夏樹が「雪夜のに俺のを挿れる」とセックスの真実を告げたのがマズかったらしく、どうやらセックスに対して多少“怖い”というイメージがついてしまったらしい。    というか、俺のを挿れるのが怖いって感じ?  そういや、前から雪夜はえっちの時に俺のを見ないようにしてたな~……  見たら怖くなるからって……   「らめなのよ?むりだぉ?おしりわれちゃうよぉ~~!」  雪夜は小さく首を横に振り、瞳をうるうるさせながら夏樹を見た。  雪夜、お尻はもともと割れてるよ?  ダメだ、雪夜には悪いけど……可愛くて笑っちゃう……   「ぶふっ!……んん゛、うん、わかったわかった、挿れないよ。大丈夫。こすりあいっこするだけ。ね?」 「ほんと?ほんとね?おしりだめだよ?」 「うんうん」  夏樹はキスで宥めつつ解していた指を抜いた。 「大丈夫、ほら、これは指だからね?痛くないでしょ?」 「で、でも、なちゅしゃんのはダメよ?おおきいからむりだよ?」 「うんうん、わかった、大きいからね、無理だよね。……こんなの入るわけないよね?」  いや、そんなに大きいか?  これより大きくなったのが、雪夜の中に何度も入ってたんだけどな~……  入らないって言われると……試したくなるよね……?  夏樹はニヤリと笑って舌なめずりをすると、雪夜のモノを軽くしごきながらもう一度後ろに指を挿れ、雪夜の舌を絡め取って上あごを刺激しつつそっと指を抜いて自分のモノを当てがった。 「んんっ……っふぁ……んん゛?~~~っ!」  上に逃げられないように雪夜の頭を抑え込んでホールドし、ゆっくりと挿れていく。  夏樹が挿入(はい)ってくる圧迫感に雪夜が驚いて息を止めた。 「っな、や……ぁ゛っ……」 「大丈夫だよ、ほら、俺だけ見て?雪夜、ちゃんと息して!ゆっくり……」  あ~……キッツ……  ただでさえ久々にするので入口がキツイのに、雪夜にぎゅっと締め付けられて夏樹も動けない。  雪夜が落ち着くまでそのまま抱きしめてキスであやしつつ呼吸を促す。   「っん……は、ぁん……っ」 「よしよし、いい子だ。もっと声出してごらん?その方が苦しくないから」 「や、こわ……っぃ……んんっ」 「うん、大丈夫。怖かったらしがみついてていいから……力抜いて?」 「っん……ぁ、や、う、うごいちゃ……らめぇ……」 「ん?……俺はまだ動いてないよ?雪夜が俺のを飲み込んでいこうとしてるだけだよ――」  いや、これヤバっ……    雪夜が落ち着いてくると、雪夜の呼吸に合わせるように中がうねって夏樹に纏わりついてきた。  っ……雪夜の中ってこんなだったっけ……!?  ちょっとでも気を抜けばもっていかれそう……  夏樹にしても、数年ぶりの恋人のナカだ。気持ち良くないわけがない。  いま雪夜を抱いているという事実がとんでもなく奇跡で、本当は泣きそうなくらい嬉しくて、感情のままにめちゃくちゃに抱き潰したい。  でも今の雪夜はセックスのことがわかってないし、まだ体力的にも無理だから……  なんとか必死に理性を保っているわけで……保ってわけで……  あ~~もう!俺のなけなしの理性ぃ~~!!  雪夜だけさっさとイかせるつもりだったのに……なんで()れてんだ俺……  まぁ、挿入(はい)っちゃったもんは仕方ないよね!? 「っぁ、んっ……」 「雪……ちょっと動いていい?」 「ふぇ……?」 「ごめん、加減するから」  なるべく……ね。  どちらにしても、動かないとどうしようもない。  雪夜の気を紛らわせるために舌を絡めながら、雪夜の力が抜けたのを見計らってゆるゆると腰を進めた。   *** 「っああ゛!?……~~~~~っ……」  半分ほど挿入(はい)ったところで、雪夜の中がまた大きくうねった。  夏樹の背中に爪が食い込むほど強くしがみついたあと、身体がビクンと跳ね、腰がガクガクと小刻みに痙攣した。    ……あ…… 「……んぇ?……っぁ……」  何が起きたのか理解できない様子の雪夜が、息を切らしてまだ小さく痙攣しながら、ぼんやりと夏樹を見た。  夏樹は雪夜に軽くキスをすると、ズルリと雪夜の中から自分のモノを抜いた。 「っはぁ、ん……」 「上手にイけたね。気持ち良かった?」 「……イ……?」 「うん、今のがイクってことね。ほら、イクとこんなのが出るんだよ」  夏樹は雪夜の胸に飛んだ白濁の雫を指ですくってペロリと舐めた。  やっぱり身体は覚えているんだな。  怖がりつつも、俺のでしっかり感じてたし、ナカだけでイクことができたわけだし……  雪夜に「おしりはだめ」って言われた時はどうしようかと思ったけど、この様子なら大丈夫そうだな。 「さてと……まだ喋る余裕があるならもう少し付き合ってもらおうかな。俺はだから」  夏樹は汗で額に貼り付いた前髪をかきあげつつ、雪夜をチラリと見た。 「……ふぇ?……まっ、もぅ……」 「大丈夫、もう挿れないよ」  慌ててお尻を隠そうとした雪夜に苦笑する。    さすがに今日はもう挿れないよ。  次はもっとちゃんと解してから、時間をかけてゆっくりと……ドロッドロに愛してあげるからね。 「……でも、ちょっとこっちは貸してくれる?」  夏樹はにっこり笑いかけると、イったばかりで敏感になっている雪夜のモノに自分のモノを擦りつけた。 「――ぁあ゛っ、んっ……や、らめっ、まってぇ……っひ、ん!」 「ん、きもちい?」 「っぁ、ひ、っもち……い、っ……――」 「俺も……っめちゃくちゃ気持ちイイ――」  夏樹は雪夜の意識が落ちたあとも、何度も「愛してるよ」と囁いてキスをした。     ***

ともだちにシェアしよう!