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Accidental reunion

中学の時に入ってたのは弓道部。 続けても良かったんだけど、体験入部に行ったらすげー横柄な先輩がいて、入るのをやめてしまった。 先輩だから自分より先にいなくなるんだし、入れば良かったかな、って思うこともあるけど。来年からでも入れるし、まぁ、うん。 そんな感じで、帰宅部の俺の放課後は暇だし、土日も特に予定もない。バイトは禁止だからできないし。 ただ、長期休暇中だけは許可されてるから、夏休みは親戚が経営するリゾート地にあるペンションでバイトしてた。 つまり何が言いたいかと言うと、暇だということです。 今日も今日とて予定のない俺は、週番の仕事を終えて地学準備室へと足を運ぶ。 「しっつれーしまぁす。先生、日誌出しに来ましたーあ」 「おー、ご苦労さん。毎日 万谷が出しに来るけど、田中は?」 「毎日 彼氏と約束あるそうでぇす」 「仕方ねーな、田中は」 担任はため息をつきながら日誌を受け取ると、ちょっと待ってろ、と言って机の引き出しを開けた。 「うわっ、先生の引き出しん中 お菓子ボックスじゃないっすか」 めっちゃみっちりお菓子入ってる。 こういうとこって何かファイルとかが入ってるんじゃないの?? 違うの? 「ひとつ好きなの選んでいいぞ」 「うわ、マジで? ラッキー」 小さい袋のポテチをゲット。 「先生太っ腹ですね。ありがとうございます」 「そんな小さい菓子で太っ腹って言われたの初めてだわ。ありがとな」 あれ? そうなの? 「じゃ、帰りまーす。ごちそうさまです」 「おー、気を付けてな」 思いがけない報酬に気分が上がる。 玄関に向かってルンルンで廊下の角を曲がった時、向こうに知っている人が見えた。 真下先輩。 先輩は、可愛い女の人と一緒だった。今日は木曜日だから、あの人が木曜日の恋人、か…? ふたりは手をつないで中庭を見下ろしながら何やら楽しそうに話をしていた。 ああやって見るとただの美男美女カップルなんだけど、先輩の隣にいる人は毎日違うんだよな…。 あの女の人はどう思ってるんだろう。毎日会えなくてもよくて、木曜日だけで満足してるんだろうか。 「さよなら、先輩」 無視して通るのも感じ悪いよな、と思い、さらっと声をかけて通り過ぎる。 「おー、じゃあな」 先輩からの返事もさらっとしていて、こっちを見ずにひらりと手を振られた。一緒にいた女の人がちらっと俺を見て、「涼輔の知り合い?」なんて聞いている声が聞こえた。

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