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第44話

人としてどうよ…、って呆れを通り越して若干軽蔑し始めた俺の視界に、すらりと伸びたおみ足を惜しげもなく晒したミニスカートの女の子が飛び込んできた。 あ、何か見たことある。クラスでちょっと話題になってた学年一の美少女・諏訪野さんだ。 「もしかして…真下先輩の5番目の恋人って諏訪野さんっすか?」 「そう。マミちゃん」 諏訪野さんは迷わず俺たちの前にやって来て、「ごめん、先輩。待たせた?」って谷口先輩に声をかけた。 「大丈夫、さっき来たとこだし。どこ行く?」 ちょっと、俺の隣で相談し始めるなや。他所へ行け。 ってか、諏訪野さん別れたのに平気そう。ショックじゃないのか…? 真下先輩には元々たくさん恋人いるから、清瀬先輩の言った通り他の人は割り切って付き合ってたのかな。 「えー、先輩決めてくれないのぉ? ってか、マミのこと慰めてよねー」 「全然ショック受けてないじゃん」 「だって涼輔先輩、誰にも本気じゃないもん。だからちょっと分かってたって言うかぁ。けど、最近ちょっと変わったよね」 「え、そう?」 「うん。何かちょっと感じ違うと思う。何でかは分かんないけど」 そう言った諏訪野さんは、そこで初めて俺の存在に気づいたみたいだった。 「あ、ごめぇん。先輩の友達?」 「全っっ然違う。断じて友達じゃない。断じて」 「すげー否定すんじゃん。軽く傷つくんだけどぉ」 「先輩傷つく繊細な心持ってたんすね。初耳」 「おい」 「凄味のねぇ凄み方やめてくれます?」 俺たちのやり取りに、諏訪野さんは声を上げて笑った。 「面白いねー! マミたちと一緒に遊ぶ?」 「や、俺待ち合わせしてるから」 「そっかぁ。じゃ、先輩モール行こ」 「はいはい。じゃあね、千景クン」 「はいはい」 「あしらうんじゃねーよ」 さっさと行ってくれって気持ちを隠さずおざなりに手を振る俺。 やっぱり諏訪野さんは、割り切って付き合ってたんだな。本人たちがそれでよくて付き合ってんなら外野が色々言うことじゃないけど、でもやっぱ何かな…って思ってしまう。 「…ねぇ、諏訪野さん」 「なに?」 俺の声に、諏訪野さんは振り返る。 「真下先輩のどんなとこが好きだった?」 「え、顔」 顔。 「だけ?」 「だって恋人6人もいるもん。そういう意味ではサイテーでしょ? 涼輔先輩もそんなもんだよ。マミたちの顔とかおっぱいとか? そーゆー感じ」

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