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第11話 蹂躙 ♥
「いやあ!そこは…!」
俺のお披露目パーティの夜から伯爵はレリエルの体に嵌ってしまった。
10人いる愛妾はレリエルを除き全て少年。
少女のような美しい顔立ちと無駄な肉のない少年の肢体が伯爵の好み。
その中でレリエルは少年のような凛々しさを持つ顔と無駄な肉のない少年の肢体を持っていた。
俺を助ける為に、いつもは見せることのない膨らみかけた胸を伯爵に捧げた。
レリエルの持つ高潔な凛々しさとは真逆の柔らかく膨らんだ胸。
その倒錯した美しいアンバランスに伯爵が嵌ってしまった。
伯爵の悪趣味に毎夜付き合わされているが、女の子であるレリエルが蹂躙されている姿を見せられるのは自分が犯されているよりも辛い。
人に見られながらするのが好みの伯爵は俺の他にも何人か呼びつける。
いつも年長者らしく年下の者の世話をしていたレリエル。
抗えないとはいえ、伯爵に組み敷かれる姿を皆に晒さなけばならない。
皆といる時には、いつもと変わらない気丈な彼女だが、俺だったら平静ではいられない。
彼女の自尊心が一体いつまで持つのか。
この状況から、彼女を助けてあげたい。
今夜、夜伽を命じられたのは俺とレリエル、琥珀色の瞳のカシエル、赤毛のサンダルフォン。
寝室に入るなり伯爵はレリエルに向かった。
初老の彼は回数をこなすことは出来ない。
選ばれものだけが、その夜の相手をし他のものはその様子を眺める役割。
不本意ながら現在の第一寵姫である俺はほぼ毎晩呼ばれる。そして俺の前の第一寵姫だったカシエルも。
いつも優しい人好きのする笑顔を向けてくるカシエル。
彼の琥珀色の瞳から優しさが消え、強い憎しみが発せられている。
腕には爪が深く食い込んだ跡が黒い痣となり散らばる。
カシエルはレリエルの事が好きなのだ。
レリエルの反発したくなるような上からの物言いもカシエルは笑顔で受け止める。
そして琥珀色の瞳でレリエルの姿を愛おしそうに眺める姿は何度も見ている。
そんな彼が好きな女の子が犯される姿をみせられる。何も出来ずに。
夜伽に呼ばれるということは、俺に対する興味を失っていないはず。
これ以上、レリエルの自尊心を傷つける分けにはいかない。
カシエルの恋心も守りたい。
男を誘う言葉など知らないが伯爵の興味を俺に引き付けなければ。
立ち上がってドレスのチャックに手を掛けた瞬間、レリエルの拒絶の声が響いた。
「いやあ!そこは…!」
ベットに腰掛けているレリエルが大声を出した。
白いドレスから長く伸びる彼女の脚が大きく開かれ伯爵が顔をうずめている。
初めて聞く彼女の本気で抗う声。
秘所を執拗に舐めあげられて身じろぐ彼女。
「嫌です、早く挿れて下さい伯爵様。」
普段聞かない彼女の懇願が逆に彼を昂ぶらせる。
「お前が、そんな声を出すとは。気持ち良いのだろう。恥ずかしがらずとも良い。」
ベットの上に上げられ、俺達に顔が見られる位置になった。
汚らしい水音が室内に響く。
彼女の開かれた脚が何度も跳ね、懇願の言葉が何度も出る。
めずらしく取り乱す彼女を見た伯爵の顔からは嗜虐の色滲んでいる。
もう離してもらえないと悟った彼女はほどなくして抵抗を止めた。
なすがままに蹂躙される彼女からすすり泣く声が絶えず漏れる。
シーツを握る手に力が入り、体が震え出した。
涙に濡れた黒い瞳が俺達に向けられ、彼女の口元が「みないで」と動いた。
彼女のせめてもの懇願を聞き入れ顔を背ける。
あっ…あっ…
止めることも出来ずに漏れ出す彼女の小さな叫び声を聞き蹂躙が終わったことが分かった。
伯爵が去った後、自分を抑えきれず涙する彼女に俺達は声を掛けることも出来なかった。
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