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第12話 翻弄 ♥

「僕も遊びたい。いいでしょ。」 またしても夜伽に呼ばれる。 今日呼ばれたのは、最近の固定化し始めている面子。 俺とレリエルとカシエルとサンダルフォン。 レリエルとカシエルは、よく俺の面倒を見てくれるから話はするけど、サンダルフォンのことはあまりよく知らない。 サンダルフォンは長いもふもふした赤毛で青みがかったシルバーの瞳が綺麗な少年。 俺とは違って明るく仲間達と駆けまわったり談笑していたりする。 伯爵が部屋に入るなり、またレリエルの所に行こうとしている。 さすがに今日は止めようと伯爵の袖を掴んだ。 掴んだといっても自分から進んで夜伽の相手をしたい訳じゃない。 レリエルは止めて欲しいと思っただけ。 「どうした、ミカエル。」 若干嬉し気な伯爵の声が頭に降り注ぐ。 多分、俺が誘っていると勘違いしている。 レリエルは止めて欲しいけど、俺もやめて欲しい。 「妬いているのか。」 言葉が出なくて俯く俺を最近構ってもらえなくて焼きもちを妬いていると勘違いしている。 全然そうじゃない。妬いてなんかいない。でも迷っている時じゃないので腕に抱き着いた。 「今日はかわいいな。」 今まで一度もしたことのない俺の態度を見て伯爵の声が緩んでいる。 すごく嫌だけど、こういう時なんて言うんだったっけ。 ああ、覚悟を決めるっていうんだ。 今日は選んでもらわなくてはいけない。 キスしてもらう為に目をつぶって顔を上げた。 「僕も遊びたい。いいでしょ。」 伯爵の顔が俺を覆う寸前で後ろから声がした。 赤毛のサンダルフォンが子犬の様に伯爵に飛びついて来た。 ぴょんぴょん無邪気に好意を向ける様子に伯爵の顔がほころぶ。 「いいだろう。今日は3人で遊ぼうか。」 「やったぁ!」 3人って?すごく喜んでいるサンダルフォンが怖い。 演技だとしても真にせまっている。 ベットにつくなりサンダルフォンが伯爵を押し倒した。 長いもふもふした赤毛が伯爵の顔の前で揺れる。 伯爵を見下ろしながら可愛らしく不満をつらつらと言い出した。 「僕、最近見てるだけで本当につまんなかったんだからぁ。」 「僕のこと忘れてたでしょ。」 「ここに連れて来たんだから、ちゃんと可愛がってよね。」 不満をいいながらテキパキと伯爵の服を剥いて自分の服も脱いでいく。 あまりの手際の良さに、いつもは剥く側の伯爵が戸惑っている。 準備が終わった所で伯爵の肥えた腹の上に当然の様に跨って座った。 さっきまでの子犬のような様子は一変しシルバーの瞳は肉を喰らう獣のよう。 伯爵を見下ろし長いもふもふした赤毛を一握り口に当て嬉しそうに呟いた。 「ホント、ひさしぶり。」 危うい獣のような声音に怯んだ伯爵が静止をかけるもサンダルフォンは気にもせず唇に食らいついた。 自分よりかなり年上の伯爵の名前を呼び捨てる。 「アルブレヒト、ちゃんと舌出してよ。」 怒られないかと冷や冷やする俺。 至極当然という態度で口づけ頭を撫でる。 「んっ、そう、良い子だねアルブレヒト。」 いつもと全く違う展開。伯爵が少年に弄ばれている。 キスを楽しんだサンダルフォンが何の躊躇もなく伯爵の陰茎を掴んだ。 恋人のように軽口を叩く。 「あは、僕で興奮してるんだ。」 手際よく準備をし、腹の上に跨りまた軽口を叩く。 「挿れるけど、すぐイかないでね。アルブレヒト。」 奥まで挿れた所でサンダルフォンの動きが止まる。 腰まである長い赤毛を両腕で抱きしめた。 淫らに蕩けた顔を晒し伯爵に告げる。 「アルブレヒト、気持ちいい?僕はずっとこうしたかったんだよ。」 完全に捕らえられた伯爵はシルバーの瞳から目を離せない。 自身に魅了されたのを確かめたサンダルフォンは満足気に抽挿を始めた。 彼の歌うような喘ぎ声が部屋に響く。 今日はいつもの悲壮感はなくサンダルフォンに翻弄される伯爵が面白かった。 ベットから降りて来たサンダルフォンが両腕を上げて背伸びをする。 「んーひさしぶりで気持ち良かったぁ。」 罪悪感も嫌悪感もまるでない様子。 運動でもしてきた感じだった。 信じられないものを見るような俺に笑顔で言う。 「僕、なんでも楽しむことにしてるんだ。ミカエルも早く楽しめるようになるといいね。」 そんな日なんて絶対来ないと思ったけど、前向きな彼はいいなと思った。

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