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第13話 計算 ♥
「カシエル、こちらへ。」
今日呼ばれたのは、俺とレリエルとカシエルとサンダルフォン。
先日から暫くはサンダルフォンが伯爵のお相手を喜んでしていたが、なにぶんサンダルフォンが激しすぎる。
可愛いのだけど途中から嗜虐心が昂ぶってくる彼は伯爵が止めてくれと懇願しても続ける。
初老の伯爵にはきつかったらしい。
今日は大人しい俺とレリエルを苛めて楽しむより、普通で穏やかな性交を楽しみたいようだ。
名前を呼ばれたカシエルが嫌がりもせず、小首をかしげて魅惑の笑みを投げる。
光の加減で金色に輝く琥珀色の瞳は優しく、伯爵へ対する憎しみを微塵も見せない。
「光栄でございます。」
ブラウンの巻き髪を揺らしながら伯爵の元へ駆け寄る。
ふんわりとした人好きのする優しい笑顔を向けられて伯爵は当然のように喜んだ。
隣にいるレリエルが若干不機嫌な顔をしている。
いつもとは違う、完璧なまでに可憐な少女を演じるカシエルが気持ち悪いみたいだ。
普段の彼は言葉もしぐさも普通の少年。
大きなあくびもするし、大股開きで歩くし、頭もバリバリ掻く。
優しいけど人をからかうのが好きな彼。
垂れ気味の目がちらちらとこちらを見て俺達の反応を楽しんでいる。
「伯爵様、お慕いしております。」
裏では豚とか言って罵っているのに、告白でもしているかのような様子で切なげに伯爵を見上げている。
最近サンダルフォンが激しくて疲れ気味の伯爵。人のよさそうな垂れ気味の彼の目が警戒心をなくさせている。
愛おし気に抱き寄せられて。そのまま天蓋付きの広いベットに押し倒された。
白いスカートがたくし上げられて彼の起立した陰茎がむき出しにされた。
両手で顔を隠し小さく首を横に振った。
「恥ずかしいです…恥ずかしいです…。」
羞恥に耐えられない少女姿の少年に伯爵の嗜虐心がそそられる。
彼のまだ未発達な陰茎が大きな手で嬲られていく。
戸惑いと羞恥が混じった声音が絶え間なく続く。
その様子に興奮した伯爵の手の動きが大きくなり粘着質な音が響きだした。
あられもない姿の仲間を見ると同情心がわくが今回は全くわかない。
なぜなら彼もサンダルフォンと同じ見られても全然恥ずかしくない側の人。
この間俺に「今度機会があったら見本みせてやるからな。」と得意げに言っていた。
どうも、それが今のようだ。
見た目が清楚という系統は似ているが本当に清楚な人は人前で堂々と出来ないと思う。
荒い息遣いで伯爵に身を預ている彼が一際大きな声を上げた。
白濁した体液が飛びる。
恥ずかしさのあまりか、口元を押さえ細い体が震えている。
赤く上気した横顔がブラウンの巻き髪の間から見えた。
さすがに彼も恥ずかしいだろうと同情すると目があった俺にウィンクしてきた。
これも彼の計算の範囲だったらしい。
この後、普通に興奮した伯爵が普通に彼を組み敷き、あっけないほと簡単に果てた。
皆で伯爵の寝室から帰る途中、カシエルが話しかけて来た。
「どう?勉強になった?」
両腕を頭に組み得意げに聞いてくるカシエル。
勉強も何も、そこまでこの仕事を極めたくないし。
不機嫌になって俯く俺の肩を叩いた。
「いつまで経っても慣れないのが好きっていう主人もいるから、そのままでいいんじゃない?」
バカにされてる感じもするけど、多分カシエルはいい人なんじゃないかと思った。
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