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第52話 [ラティエルの受難]⑤ アリエル×ハミエル×フェヌエル

「なんじゃこりゃぁぁぁあっ!!!」 全モードが最悪な俺ラティエルは今日も最悪。 客人のおもてなしも兼ねているということで、手渡された衣装はメイド服っぽいもの。 ピラっとよくよく見て見たらデザインがエロすぎて叫び声が出た。 急遽ゴソゴソと衣裳部屋で着替え身支度をする俺達4人、「ちっ!!めんどくせぇな」とか「相変わらず趣味がわるいね」「こんなの着たくないな」とか不平不満が止まらないほど今日の衣装はマジでやばい。 黒色の光沢のある生地で作られた衣装は胸部しか隠れていないベストと腰から太もも辺りまでしか隠していない短いフリフリしたスカート、黒色のガータベルトにこれまた黒色のストッキング…。 髪飾りは白レースのカチューシャと、同じ素材のチョーカーとブレスレット、そして歩きづらい踵の高い靴。 …いつもの白ドレスでいいじゃん、スカート短いからケツが寒いし、まだ痛いし、こんな格好じゃ色んなものが見えて屈めねぇ…。 同じく着替えている、今日一緒に行く三人を見たら文句をいいながらも意外と涼しい顔をしていた。 普通に着こなしてるし、恐ろしい事に貫禄すら見える。 よく考えればコイツらは俺が連れて来られた時には、もう居たから慣れているのかもしれない。 慣れてる?…客人をもてなすのが? 客人におもてなしって…、えっ? 短いスカートの下にはなんも履いてねぇし…。 マジで、知らない人と…? 改めて考えると嫌過ぎて思わず、しゃがんで長いプラチナブロンドを抱きしめてしまった。 ぷるぷるしている俺の所に三人がやって来て、見上げた三人の姿に赤面して思わず「ぶっ!!」と吹き出し顔を背けてしまった。 短いスカートからなんか見えるし、何このヤバい格好っ!! 他人を客観的に見ると今日のエロメイド姿は本当にヤバ過ぎる、肌の露出も多いし「どうぞ好きなだけヤって下さい」みたいな格好じゃん!!っていうかヤられちまうっ!! 誰だよ、こんなのデザインしたヤツはっ!!迷惑すぎっ!!エロで脳がおかしくなってる!! 頭を抱える俺に珍しいオッドアイを持つアリエルが、緑と青の瞳で俺を見下ろし上からの物言いする。 「ラティエル、今日の伯爵の相手は俺様がするから、お前は客人の相手しろよ。」 「…やだよ、伯爵の相手するのも嫌だけど、知らない人となんかもっと嫌、お前がしろよっ!!」 「俺様の方が先輩だし、言うこと聞け!!平民!!」 「…先輩とか平民とか言うけど、今は序列は俺が上なんだからっ!!言うこと聞くのはそっちだろ!!」 緑と青のオッドアイの瞳を持つアリエル。 アリエルは伯爵に連れて来られる前は、希少なオッドアイを持つから大事にされて神職的な事をしていたらしい。 そんなことからか気位が高い、すっごい傲慢で青果店の息子の俺を平民呼ばわりする。 光るダークブロンドに気位の高さが見える緑と青のオッドアイ、気の強いキツそうな美人、言動もキツイというかオラオラしている…、逆らうと面倒だからいつもは言い返したりしないんだけど…。 今日は絶対引かないんだっ!!俺のケツの為にもっ!! 二人でギャアギャア言い合っていたら、ハミエルとフェヌエルが止めに入った。 「けんかしないでぇ」「やめてぇ」とおっとりした口調で俺達を引き剥がした。 コイツらは双子で同じ顔をしているので、未だに見分けがつかない。 おとなしくておっとりしているけど、少し面倒な条件がある。 なんでも一緒じゃないとダメらしい、当然夜伽も二人一緒じゃないと行かないし、伯爵も迎入れる条件として了解しているらしい。 俺は二人が夜伽に上がってるの見たことなくて、ほとんど呼ばないんなら解雇しても良いんじゃないかと思いもするけど、この二人は超希少な瞳を持っているので働かなくても解雇にならないそうだ。 ハミエルとフェヌエルは赤色の瞳の双子。 双子も珍しいけど彼らは希少な赤色の瞳を持っている、そしてすんごく白い肌、毛量の多い銀髪はふさふさしていて二人並ぶと美しい一対の人形の様で会合に連れて行くとすごく目立つ。そして伯爵の虚栄心がめっちゃ満たされる、でも働かない…、おとなしくておっとりしていて従順そうだけど、働かない。 えーと、今日俺と一緒に行くのは、傲慢な俺様オッドアイのアリエルと働かないおっとり激レア双子ハミエルとフェヌエル…。 えっ?コイツら客人のおもてなしとか、愛想笑いとか出来るの? うああああ!!!なんか嫌な予感して来たよっ!!! 三人は俺より確実に美人なんだけど、よく考えたら超難ありじゃんっ!! 今からでも、まだ働きそうなザフキエルとサリエルに交換しようかな? 人選は任せると言われてるし…、悩んで部屋をウロウロしていたら本邸勤めの使用人が「準備は出来たか」と聞いて来た。 もう行かなくてはいけないらしい。 …ああ、もうしょうがない。 絶対最悪なことしか起きそうもない本邸へ向かうことになった。

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