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第80話 木綿のヴェール⑤ 先生♥
花のように抱かれると良いよ――
零れる涙が止まらない僕にそう言ったのは…
親子以上の年の差がありそうな司祭様、ポロポロと泣き出した僕に「優しゅうします」と声を掛けてくれた、目を見ると悪そうな人には見えなかった、香木が薫るガウンに身を寄せると嬉しそうに僕の肩を抱き、そのままヒョイと腕に抱き上げ感嘆の声を上げた。
「これはこれは、軽くて儚い身体、壊さない様に優しくしなくては…」
死人を多数出した寒村から出た時から僕の体は僕の物ではくなった、優しくして貰う代わりに体を差し出さなければならない、僕の生き方を楽をして良い生活をしていると妬む人、身を売って生きるなど恥ずかしくはないのかと蔑む人と大体が好意的では無かった、しかし銀髪に近いブロンドと希少な紫の瞳に情欲を掻き立てられる人達に請われて生きて来た。
花のように抱かれると良いよ――
零れる涙が止まらない僕にそう言ったのは…
ふんわりとしたベッドの上に降ろされて、忙しなくガウンを脱ぎ出す司祭様、荒く吐く息が口元に近づいて来る、頬を撫で上げ、開ける様に促された口元を開くとヌルリと口内に舌が入り込む、興奮を隠さない男の体が重く圧し掛かる、開けた胸元の中にある乳首に執拗に舐めまわさるのは女性を抱く事が叶わない聖職者に良くある行為だ。
少し背を反らした方が良い――
過去からの声が頭に響いた…
元々が膨らんでもいない胸を反らした所で何も変わらないのに、突き出す事によって痛いほどにむしゃぶり付いて来る、着衣のままに開いた脚、グチグチと指で広げられた尻穴は男の太い指が二本出入りしていた。
伯爵様に飽きられているからか使っていない尻穴が緩まず痛い、僕の口から漏れる呻き声を喘ぎ声と勘違いしてか指の動きが荒く激しくなった、ゆっくりが良いのに、これでは体を傷つけてしまう、胸に吸い着いている頭を抱きすくめ「司祭様、もう…」と囁くと喜々と顔を上げた。
「もっ、もう、挿れても良いのか?」
「はい、司祭様…」
性交の上手い下手は仕方ない、体が大きい人だから手荒で僕の気持ちが冷めてしまったのもある、引き抜いた指と入れ替わりで司祭様の陰茎が尻穴にあてがわれた、ドレスのスカートに阻まれて大きさなど見えない、少しでも興奮の度合いを上げて早く果てて貰おうと太ももの裏側に手を添えて脚を上げた、熱い肉塊が尻穴を広げて挿ってくる、男の陰茎を尻穴で受けて可愛がってもらう、従順に脚を開けば必要とされる。
圧し掛かる大きな大人の身体、深く差し込まれた陰茎は外そうと思っても深く食い込んでいる、覆いかぶさるように抱きすくめられたまま抽挿が始まった。
陰茎が少し大きいか?、体重を掛けられて興奮のままに突かれると苦しい、早く精を出して貰わないと身が持たない、どうしよう、こんな時はどうしていたのだろう?
君が本気になっていないのは相手に伝わるよ――
本気に…、男の僕が男を相手に何故本気にならないと…
苦しいのは嫌だろう?
苦しい思いは飽きる程してきた、苦しいのは、もういい…
涙が零れる、男として生きたい、でも苦しいのは嫌だ、忙しなく動く司祭様に語り掛けた。
「あ…、司祭様、せ…接吻を…頂戴いただけますか…」
「おお…、私としたことが「優しゅうします」と言いながら好き勝手を…、姫様の目に涙が零れているのも気付かず、良い所があれば言って下され…」
「…、…、座って抱きしめて下さいますか…」
ベッドの上で胡坐をかく男の陰茎を尻穴に挿れて抱き着いた、暫くすると腹に収めた陰茎が少しだけ心地良くなってきた、やっと緩みヌメついてきた穴、気持ち良い箇所を擦りつけるとスカートの中の陰茎も勃ちゾクゾクと切ない感覚に満たされた。
少し喘ぎながら気持ち良い箇所を擦りつけている僕の額に口づける司祭様、もう苦しくない、顔上げて口を開くとヌルと大きな舌が口内に滑り込み、体の穴を塞ぐ感覚に蕩けた。
興奮し弾む息、グチョグチョに溶けた尻穴は快楽しか伝えて来ない、目の前の男が愛しくて絡む舌を吸い上げる、亀頭から漏れる体液が淫らに温かい、汗ばむ身体が腹の中を擦る都度にビクつきが止まらない。
泣いているのか、快楽で溶けたのか分からない瞳を司祭様に向け懇願した。
「あ…♡、♡、♡、、♡♡♡♡♡、司祭様、♡、♡♡♡♡♡、もっと強く♡♡♡♡♡、僕の穴を、♡、塞いで、、、♡、♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
願いを聞き入れて僕の腰を掴むと下から激しく突き上げてきた、尻穴が陰茎を根元までズッポリと咥え込んでいる、激しく揺さぶられる度に女のような嬌声が口から飛び出し、興奮し絶頂を迎えようとしている体が甘く震え出した。
もう…♡、イク…♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
気持ち良くなりたくて体が我慢できない♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
「――んっ!♡♡♡♡♡、♡、司祭さまぁぁっっ♡♡♡♡♡、イ…♡、イきますっ♡♡♡♡♡!、あっ♡、あ…!、あっ♡、♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
はしたなくも大声を上げて絶頂する僕に興奮しきった司祭様が圧し掛かり、激しく腰を打ち付けて射精した。
ほらね、男なんて簡単なものだろう?
そうですね、先生…
僕の体に倒れ込む男の背中を抱きしめながら、かつて先生と呼んでいた男の事を思い出さずにはいられなかった。
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