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第4章 生徒会長の秘密

    第4章 生徒会長の秘密  津々浦々の観光地が、行楽客でごった返すゴールデンウィークに突入した。  空良の場合、ゴールデンウィークの計画は慎ましやかなものだった。  前の学校の友だちとどこかに遊びにいったり、部屋の模様替えをしたり。DIYや家庭菜園に挑戦してみるのも面白そう。  それから、それからマドレーヌの作り方をマスターして、クッキーの失敗を挽回しよう。  しかし計画倒れに終わった。平たく言えば寝込みを襲われたのを皮切りに、おにいちゃんズへのご奉仕からゴールデンウィークが始まった。 「朝勃ちは健康のバロメータ、健康を維持する秘訣はストレスを溜め込まないこと、つまり精子の運動能力を高めないと」  武流がこじつけまがいの三段論法を展開すれば、 「自分ちで牛の乳搾り体験ができるように段取ってやってるんだ、感謝しろ」  大和はふんぞり返る。  カーテンが潮風にそよぐそのとき、三人は空良の部屋にいた。おにいちゃんズはベッドに腰かけ、空良はその手前の床にちんまりと座っていた──若葉の季節にぴったりの、ペパーミントグリーンでふさふさの尻尾を生やして。  参考までに小沢夫妻は二ヶ月遅れのハネムーンへと旅立ち、留守宅はある意味、無法地帯と化していた。  すなわち、おにいちゃんズが空良をオモチャにし放題にしようが邪魔が入る心配はない。ひいてはエロ・パラダイスが出現したのだ。  叩き起こされるや否や下半身を裸に剝かれ、まごまごしている間に尻尾と一体型のローターを蕾に挿入されたのは、順当な流れといえた。 「……むずむずする。これ、取っていい?」  空良は泣きべそをかきながら尻尾を指さし、だがスルーされたどころか、 「ひゃんっ!」  大和がリモコンをいじると、ローターが襞を(なら)すように回転する。  遠隔操作が可能なのはもちろん、内壁への吸着性に(すぐ)れたローターは、アダルトグッズ界に一大旋風を巻き起こした小沢父・要造の新作だ。  武流曰く、 「この試作品のコンセプトは可愛い、じゃあモニターは空良に決まりだ、大役を担うのは名誉だろう?」

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