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第38話

 一理あるような、ないような。家族愛を発揮してがんばれ、とハッパをかけられれば奮い立つものの、後ろをいじくられるのはこれが初めてで、異物感がすごい。  腰がもぞつくのにともなって尻尾がふるふると揺れる。  武流の見立てによる臍丈(へそたけ)のカットソーを着て、紺色のハイソックスを穿いた姿はフリチンなのも相まって、可憐さと淫靡さの華麗なる競演だ。 「乳搾りって……みゅん! どういうこと」  空良は体育座りに縮こまり、するとローターがめり込んでうねうね感が強まる。身悶えするさまは、まさしく猫にカツオブシ。 「口で説明するより、やってみたほうが早い」  武流が目配せすると、大和がすかさず空良の背後に回り込んで、羽交い絞めに抵抗を封じる。  もがけばいちだんと締めつけられて、空良は苦しまぎれにのめっていったすえに、ベッドに突っ伏す形になった。  おにいちゃんズは基本的に仲がいい。例えばリンゴがひと切れだけ皿に残っていた場合、 「おまえが食べな」  武流は大和に必ず譲る。しかし事、空良の初フェラチオの相手をどちらが務めるかにあたっては譲り合いの精神など吹っ飛び、骨肉の争いに発展しかねないものがあった。  それゆえ公平にコイントスで決めた。表に賭けて権利を獲得したのは、武流だ。  ラブリーな口許が、股間へぐんぐん接近してくる。武流は、やおらジーンズをくつろげると下着をずらした。  唇の純潔を(けが)すのは男のロマンだ。澄まして眼鏡を押しあげつつも、地引網をたぐり寄せる漁師の気分を味わっていた。  おバカ……もとい、無邪気な義弟がストローでシェイクを吸いあげるさいの頬のへこみぐあいから狩猟本能をかき立てられて以来、待ち焦がれていた瞬間がようやく訪れる。早くも勃起率八十パーセントに達するペニスで、唇の結び目をノックした。  あ~ん、と促されれば反射的に口があく──空良の精神構造では、それが()なのだ。  とはいえ先っぽが歯列をくぐり抜けたとたん、おえっとなる。微かな塩気といい、拡大解釈すればフランクフルトに似ていないこともないが、食感はまったく違う。  だいたいペニスを頬張っても躰に害はないの?

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