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第40話

 ザマアミロ、と大和は嗤った。おいしい役をせしめたからには、兄弟円満のためにもそれ相応の代償を払ってもらおうじゃないか。  素知らぬ(てい)で尻尾をくいくいと引っぱって、ギャザーが裏返しになるような刺激を入口に加える。ローターが〝いい仕事〟をすればするほど、空良はしゃぶるどころじゃなくなるはず。リズムが狂うにつれてペニスが萎えていくのはひとりエッチで立証ずみで、機に乗じてバトンタッチといこう。    一方、空良は目を丸くしっぱなしだった。異物感が薄らぎ、それに代わって下腹部が甘やかにざわざわしだす。  全身を曲げ伸ばしして進む尺取虫みたいな動きでローターが蠢くのにともなって、筒全体が収縮するようで、人体の神秘ってすごい、と一種のカルチャーショックを味わっていた。  はしたなく腰がくねるたびに、尻尾もふるふると宙を()ぐ。それは、すこぶるつきに愛らしい眺めだ。口中にのさばり返るペニスも、スウェットパンツの中で出番を待ち受けるペニスも、ぎんぎんにいきり立つ。  武流が猫なで声で囁きかけた。 「裏筋はわかるね。サオの裏側に沿って、ブラッシングするつもりで舐めあげて……うん、緩急をつけてね」 「ぅ、うん……ふぉう?」    空良は勉強熱心だった。苦い雫がしみ出してくれば顔をしかめながらもすするあたり、いじらしいどころの騒ぎじゃなかった。  その褒賞のように、蕾のぐるりで快感が芽吹くのは時間の問題だ。 「にゅ……っ!」  内壁がローターにじゃれついた拍子に、きゅっと尻たぶがへこんだ。 「さわってないのに勃つとか、おまえの躰、どうなってるわけ?」    大和が、ことさら呆れ声で嘲った。後ろで感じる素質に恵まれているのは好都合と、ほくそ笑みながら、楚々と頭をもたげたペニスをつつく。    えっ? 嘘? 勃っってる、ひゃあ! 呟きがくぐもり、頬の内側と花芯が同時にすぼむ。すると上と下の口の粘膜をいっぺんに掃きたてられる形になり、ざあと産毛が逆立つ。

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