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第8章 生徒会長の暴走
第8章 生徒会長の暴走
日曜日の空良は忙しい。自分の部屋と、ついでにおにいちゃんズの部屋を掃除して。
お弁当のおかずを何品か作り置きして、晴れていれば庭の草むしりだってする。というとリアル・シンデレラのごとく下僕認定されているようだが、決してそんなことはない。
母子家庭だったころ、母親の負担を減らすために家事を手伝うようになって、現在 では趣味が入っている。
ただ不思議に思うのは、数分前に掃除機をかけ終えたにもかかわらず、武流に呼ばれて彼の部屋に行くと、もう床が砂埃でざらついている。
二度手間になるよう、準備しておいた砂をわざとばらまいたかのごとく。
ともあれ県外ナンバーの車が海岸通りを行き交う日曜日も、テラスをデッキブラシをこすり洗いして、古新聞を束ねてと、ちょこまか働いていた。
起き抜けに当麻から届いた〝おはようLINE〟のおかげで、絶好調だ。当麻曰く、
「きみと、たわいのないやりとりをするのは受験勉強の息抜きにもってこい」。
目的はどうあれLINEでつながる仲になるとはすごい出世、と空良は思う。
ただし深掘りするのがためらわれる話題がある。それは保健室でキスされた件だ。時間が経つにつれて、あれは白昼夢の類いに思えてきて、現実の出来事だったのか本人に確かめてみるのが怖い。
妄想の産物だ、と笑い飛ばされるくらいならまだしも顰蹙を買うかもしれない……無理、訊けっこない。
だいたいキスは欧米では挨拶代わりで、本当にされたのだとしても別に大した意味はなかったのだろう。
武流から洗濯を頼まれたリネン類で両手がふさがっている。大和の部屋のドアレバーを肘で押し下げながら躰をすべり込ませた。
「ちい兄ちゃんも洗濯するもの、ある?」
「バカ、勝手に入ってくんな!」
クッションが顔に命中した。なるほど、納得。胡坐をかいた足の間でペニスが獰猛な様相を呈し、ひとりエッチの真っ最中に踏み込む形になった。
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