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第130話

 せかせかと髪をかきあげるさまが、らしくなくて可愛い。空良は笑みを浮かべてさっそく握ると、ひとしごき、ふたしごきした。  おにいちゃんズから教わったことが図らずもここで生きたわけで、指の腹で裏筋をたどると、いちだんとそそり立つ。 「手コキよりフェラチオ? してあげたほうがいいですか」 「大和で練習を積んだみたいなことを匂わせてジェラシーの種を蒔くんじゃない! ……折り入って頼みがある、聞いてくれるか」    反射的にかしこまるが早いか、スカートの中に手がもぐり込んだ。先遣隊のように人差し指が尻の割れ目をなぞり下ろしていき、スキャンティーの上からすぼまりをつつく。 「ここで、つながりたい」  ここで、と空良は鸚鵡返(おうむがえ)しに呟いた。ぐんぐん率著しいペニスに真剣な眼差しを足して出た答えは、交尾──。  バックヴァージンをもらってもらう。自分から望んだくせに、そのイメージは今の今まで漠然としていた。  小作りな顔がさあっと赤らみ、にわかに怖じ気づいたぶんも、ゴボウをささがきにするように遮二無二しごきながら記憶をたぐる。  尻尾つきローターをねじ込まれたときの異物感は、ゴミが入って目がごろごろするのと同じくらいのレベルだった。だがペニスはローターの何倍も大きくて、そもそもここは挿入(はい)る構造になっているのかしらん……?  咄嗟に(あな)をすぼめたのも束の間、奮い立つ。たとえ躰が真っ二つに裂けてしまおうとも、言い出しっぺとしての責任があるのだ。 「えっと、拒否ったら男がすたります!」   即座にスカートをからげて、座面に四つん這いになった。ついでにスキャンティーもめくり下ろす。  当麻は健気さに胸を打たれた。恋情指数を示す(くらい)は、今や億の上の兆に達し、ふたりにとって初合体を最高に思い出深いものにするのだ、と心に固く誓う。  そろそろと双丘を割り広げると背中にさざ波が走る。それを、うなじへのキスでなだめておいて花芯に瞳を凝らす。  慎ましやかにギャザーが寄り合わさっているさまはヒナギクの蕾を髣髴(ほうふつ)とさせた。聞きかじりだが、ここで愛し合うにあたっては濡らしてほぐす必要があるはず。

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