132 / 137

第132話

「ぅ、にゅう……っ!」  指がふやけて、内壁がその指にまといつく。ヌプヌプとにぎやかなまでのこなれ具合からいって、イケると踏んだ。  いや、急いては事を仕損じるという……、 「先ぱぁい、まぁだ……?」  空良が焦れったげに躰をひねりざま抱きついてきた。めきめきと上達したキスで煽ってくれるわ、巧みな指づかいでペニスをあやしてくれるわ、童貞の身にとっては幸せな拷問を受けるに等しい。  そのうえブラウスがはだけて赤く色づいた乳首が、摘んで、と誘う。  スカートはくしゃくしゃになり、それでいてニーソックスは美脚にぴたりと張りついたままで、劣情をそそるどころの騒ぎじゃない。  筆下ろしを祝すにふさわしい尊い光景だ。当麻は感動に打ち震えつつ、ムスコに再度言い聞かせた。  突撃したいのはわかるが、あそこはデリケートにできている。自己チューなセックスは嫌われる元だと、どこかで読んだ憶えもある。血気に逸って空良を傷つける真似はくれぐれも慎むように──と。  おいで、おいでをするように、花びらがめくれたかと思えば(つぼ)む。がばっとのしかかっていきたいのは山々だが、(にん)のひと文字できちんと腰かけた。そして座位と言ったと思う。向かい合う形に空良を跨らせたうえで、穂先を核心にあてがう。 「では、おじゃまする」  と、厳かに告げる声がどうしようもなくうわずる。細腰を摑みなおしたうえで、襞をかき分けるようにしながら自身を押し進めるにしたがって、愛らしい顔が苦しげにゆがむ。 「ん、みゃふ、ん……ぅ!」 「すまない、荒っぽかったか」 「平気……バッチ来い、だもん」  そう唇をぶつけるようにくちづけてくると、進んで腰を沈める。何がなんでも当麻とつながりたい──そんな、ひたむきさにあふれていた。  当麻は、舌を優しく吸って返した。一方的に負担をかけるようでは、それこそ男がすたる。ハンドクリームを塗り足し、進入する角度に微調整をほどこしてから再挑戦した。

ともだちにシェアしよう!