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第133話

「あ、ふん……垂直に、ずんずんって来てくれたほうが楽ちんっぽいみたい」 「なるほど、下からネジを回す要領か」  初めての共同作業は、新たな理論を構築するように試行錯誤の連続だ。それが味わい深くて、いちゃいちゃと工夫を重ねる。  そうこうするうちに特殊な鍵穴に鍵がはまったように、しずしずと呑み込まれていきはじめた。 「ん、ん、んん……おっきぃ、おっきぃよぉ……っ!」 「そう、巨根と褒めてくれるな……くっ、きつきつだ……」  ペニスを押し返しにかかる、強烈なうねりに逆らって遡る。それは、裏筋めがけて甘やかな波状攻撃を仕かけてくる粘膜との闘いだ。  道なかばで暴発の憂き目を見れば末代までの恥。根性で持ちこたえて、開拓者のようになおも深みへと分け入っていく。 「は、ふん……そこ、そこ、先輩のでくりくりされると、おちんちんの先っぽが蕩けちゃう……」 「微妙にこりこりしている、ここか」 「ひゃ、んっ! エッチな雫がじゅわじゅわって……!」  などと、魅惑的なポイントで道草を食ったものの奥へ奥へと攻め入る。ようやく根元まで埋没した証しに、ファスナーが尻の丸みにめり込んだ。 「や、ゅうん……先輩ので一杯で、おなか、はち切れそう」 「ああ、合体完了だ」  当麻は、ともするとゆるみがちになる口許を引き締めて鹿爪らしげに答えた。  分かちがたく結ばれたという達成感は来春、志望校に合格したときに味わう、その何万倍もの価値があると断言できる。壊れ物を扱う手つきで空良を抱きしめた。 「きみと……好きな人と歓びを分かち合うのは至福の極みだ」  耳たぶを食んで熱っぽく囁きながら心の中で付け加える。自己完結型のナルシー的悦楽は所詮、にすぎない──と。  それでいて長年の習性とは恐ろしいもので、鏡を見たい衝動に駆られる。とびきりセクシー、()つ麗しいだろう己の表情(かお)を瞼に焼きつけておきたい。  祝福の鐘を鳴らすように、スプリングが派手に軋む。互いが互いに馴染むのを待っている間も、肉の環がしなしなとペニスをもてなす。

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