134 / 137

第134話

 極楽だ、と当麻は思った。その反面、おあずけを食らった状態を堪え忍ぶのは限界だ。  がっつきたい、しかし下手に動くと射精()る、早漏との誤解を与えかねない。  乳首を爪繰ると内壁がきゅうきゅう締まって、気をまぎらすどころか墓穴を掘った。  万、万が一、無念にも爆ぜてしまう前に、先ほどの〝おちんちんの先っぽが蕩けちゃう〟箇所をじっくり探査しなくては。  当麻は様子見的に、そろりそろりと上下動を刻んだ。そこで無自覚に煽るのが天然のおっかない点だ。  手が摑み取られて、(へそ)の少し下へといざなわれる。 「は、ふぅ……ここいらへんまで、えっと……ずっぽし?」  にこっと笑いかけられてケダモノが雄叫びをあげた。双丘を鷲摑みに結合部分を広げておいて、突いて、突いて、突きまくる。  テクニック不足はいかんともしがたいものの、若さと情熱で補う。 「やぁあん……おなかの中で、おっ、お餅をついてるみたいぃ……!」 「なかなか個性的な表現だ……うっ」  ではペニスは、さしずめ杵か。ならば臼の中で糯米(もちごめ)をひっくり返すように、ひねりを加えてみるか。  さらに螺旋を描くふうに腰をグラインドさせて、最奥へ攻勢をかける。ぐぷぷと一旦退く。ずちゅずちゅと突きしだいたあとで、ぐぷぷと一旦退く。  それがワンクール。ツークール目の抽送を行っている途中で、 「……くっ!」  ストッパーが弾け飛び、熱液が迸った。童貞喪失あるあるだが、無敵王子と崇められる身にしてみれば面目丸つぶれ。  空良を快感の海で溺れさせるどころか、三こすり半で達してしまうとは、なんという屈辱。当麻は極上の余韻と敗北感ない交ぜの吐息を洩らすと、ぐったりと背もたれに上体をあずけた。  空良は膝立ちになって、つながりを解いた。当麻の形をとどめた後ろが物足りなげにひくつくものの、それはそれ、これはこれ。  のは言葉では言い表せないほどの感動に満ちていて、素晴らしいものを分かち合うのは恋人(キャッ!)の醍醐味でしょ。  第一、大和流にいえばフル勃起を無駄にするのは、もったいない話だ。

ともだちにシェアしよう!