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第2話*

「あの、聖司さん……」 「ああ、そうだ。ちょうどいいからこれも使うか」  稔が質問するより先に、聖司は床に落ちていた下着をつまみ上げ、口に押し込んできた。 「んぐっ……! んん、んぅっ!」 「あまり騒ぐとご近所からクレームが来ちゃうからな。しばらく静かにしてろ」 「うう……うっ」  さすがにここまでされるとは考えていなくて、稔はくぐもった悲鳴を上げた。  椅子に恥ずかしい格好で拘束され、股間を縛られて栓をされた挙げ句、口まで塞がれる。尻に入っているローターはまだ動いていないが、この上更に攻められたら、正気でいられる自信がなかった。 「ああ、いい格好だな。見ているだけで気分がよくなる」 「っ……」 「お前も後で、自分のいやらしい姿を確認してみるといいぞ」  そう言って聖司は椅子から距離を取り、稔のベッドに寝そべってスマホをいじり始めた。よく見れば、カメラの横のランプが赤く点滅している。 (ま、まさか……)  稔がぞっとしているのを尻目に、聖司はスマホをちょうどいい位置に置き、 「録画しといてやるよ。あと写真も撮っといてやる」 「んんっ!? ふ、ふ……んーっ!」  録画? 写真? そんなことまでされなきゃならないのか?  さすがに冗談じゃないと思い、稔は動かない手足を必死でばたつかせた。はずみで椅子がガタン、と揺れた。  そんな稔を嬲るように見つめながら、聖司はローターの操作スイッチを押した。  途端、腹の中の異物が振動し始めた。 「うっ……!」  反射的にびくりと肩を揺らす。声はほとんど出せなかったが、繊細な内襞を細かくくすぐられる感覚に身悶えした。腰の裏側から直接振動が伝わってきて、ぞくぞくしたものが這い上がってくる。 「えー、ご覧ください。こちら、世にも淫らな『肉まん』でございます……」  実況中継のつもりなのか、聖司が一人でブツブツ喋り始めた。 「白くてもっちりした柔肌に包まれた、ジューシーなお肉が味わえます。このように椅子に縛り付けて小道具で料理すると、より多くの肉汁が溢れ出てきます……」  肉まんに例えられたのは喜ぶべきなのか、稔にはわかりかねた。  ……が、この揶揄はあながち間違いでもない。 「ふう、うっ……んんぅ……!」  聖司に撮影されていると思うだけで、身体の芯が疼いてしまう。勃ち上がっていた陰茎がぐんと膨張し、熱っぽい涙が溜まって、官能的な汗が噴き出してくる。全身が火照り、体内がむず痒くなって、直接触れて欲しくてたまらなくなってくる。 「っ……うう……ん」  自分でも呆れるしかないが、本当にいやらしい身体だ。いじめられればいじめられるほど、興奮の度合いが増してしまう。普通の人間ならこんな状態で放置されたら憤りを感じるだけだろうに、稔の場合はそうではない。現に股間は苦しいほど張り詰め、こよりからじわじわと体液が染み出していた。もし栓をされていなかったら、ローターを動かされた段階で軽くイっていたかもしれない。 「ふぐっ……! ん、ん、んん……ッ!」  不意にバイブのリズムが変わり、びくびく腰が跳ねた。  自分で触れることもできず、甘ったるい快感を散らすこともできないまま、稔は苦痛の呻き声を漏らし続けた。目からポロポロ涙がこぼれ、くわえている下着に飲み込みきれなかった唾液が染み込んでいく。 (聖司さん、助けて……!)  見ているだけじゃなくて早く直接触れて欲しい。玩具でいじめるんじゃなくて、彼自身で中を思いっきり突いて欲しい。生身の快感を与えて欲しい……。

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