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第3話*
「どうした?」
ようやく聖司がこちらに近づいて来てくれた。
「苦しくなってきたか? まあ俺も鬼じゃないからな、お前のリクエストには応えてやらんでもない。口は外してやるから、何して欲しいか正直に言ってみろ」
「っ……は、あ……」
押し込まれていた下着を取り除かれ、やっとまともに呼吸ができるようになる。
何度か咳き込み、肩で大きく息をしながら、稔は震える声で言った。
「聖司さんの……が……欲しい……です」
「なるほど。で、具体的に、俺の何だ?」
「っ……せ、聖司さんの……」
じっと目で聖司の股間を見つめる。
聖司はまだ一切着衣を乱していない。けれど彼のものは、布越しでもハッキリわかるくらい存在を主張していた。
(服の上からこの状態なら、剥き出しにしたらもっと……)
思わずごくりと喉が鳴る。彼の剛直に貫かれる感覚を思い出し、自然と胸が高鳴った。
「それ、を……おれに……」
「それって?」
「その……お…………を……」
消え入りそうな声でその単語を口にする。
聖司はどこか愉快そうに笑って、
「くくっ……よく言えたな。なら、お望み通りリクエストに応えてやろう」
と、己の欲望を剥き出しにし、今まで下着が入っていた口にそれを突っ込んできた。
「うっ! せ、聖司さ……こっちじゃな……んぐっ!」
「そうか? お前がハッキリ場所を言わないから、こっちでいいのかと」
「そ、な……んっ! むぐ……っ!」
喉の奥に先端が当たり、反射的に噎せそうになる。
聖司のものを咥えたことは何度かあるが、椅子に縛られた状態は初めてだ。さすがに苦しい。それに稔は、正直あまりフェラが得意ではなかった。いつも聖司に「下手くそ」と罵られ、お仕置きに手ひどく犯されている。
「……おい」
聖司が低い声でこちらを睨んできた。案の定、そのままガシッと頭を掴まれ、腰を乱暴に動かされてしまう。
「お前が物欲しそうにしていたから、リクエストに応えてやったんだぞ。ねだるばかりじゃなくて、お前も少しは奉仕したらどうなんだ」
「んぐっ! うっ、ぐ、んんっ、んーッ!」
「……もっとも、お前のテクニックじゃ奉仕にもならないかもしれんが」
「うう……っん」
苦しみのあまり歯を立てそうになり、稔はより大きく口を開けた。慣れないことをしているせいで頬の筋肉は引き攣り、溢れた唾液が口角からこぼれ落ちて喉を伝う。
けれど、口いっぱいに味わっている聖司のフェロモンのせいか、その苦痛でさえも快感となり、股間がキュンと疼いてしまう。こよりを差し込まれた尿道がむず痒くなり、無意識に腰が揺れてしまった。
「んん……ん、あ……っ」
ようやく口を解放されたかと思いきや、すぐさまひくついている肛門にあてがわれる。
「まったく……お前は本当にいつまで経っても上手くならないな。学習能力がないのか? それとも上より下が好きなのか?」
「それは……」
「ホント、根っからのドMだな」
「……!?」
肝心な動作をすっ飛ばされていることを思い出し、稔は冷や汗をかいた。まだ中にローターが入ったままではないか。
「ちょっと待って聖司さん! 中のローター取ってからに……」
「それはリクエストされてないだろ。ドM野郎のことだから、入れっぱなしのままやりたいのかと思ってな」
「ち、違います! 取って! 取ってください!」
「わかったわかった、これが終わった後にでも取ってやるから」
「ひぃぃ……っ!」
あまりのおぞましさに、思わず身体をよじる。けれど稔の入口は待ってましたと言わんばかりにべろんとめくれ上がり、聖司の先端を美味しそうに呑み込んでしまった。
「いや……っ、聖司さんやめて……!」
「そんなこと言ってるが、お前意外と興奮してるだろ」
「そ、そんなこと……」
「嘘つけ。先っぽを入れた瞬間、入口がきゅうっと引き締まった。期待してる証拠だ」
「っ……」
「というわけで、このまま大人しく犯されろ」
ニヤリと微笑んだ聖司と目が合う。その目を見た瞬間、稔の背筋を戦慄が走った。
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