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3−5

 キャメロンがフンッと鼻を鳴らし、たくましい腕を組む。  「ママが自分から話すまで待つつもりだったんだけどね。  アレ(・・)を見ちゃ、さすがに黙ってられないわ」  そう前置きして、単刀直入に尋ねてきた。  「あらためて訊くけど、師走さんとママ、本当は一体どんな関係なワケ?」  「メロンちゃん、アレは事故みたいなもので……」  「そっちじゃなくて」  『は?』  ミフユと伊吹、二人の声が重なる。  キャメロンは、背中を示すしぐさをした。  「背中……?」  と、自分の背に触れてみたところで、ミフユはキャメロンの言わんとすることを察し、青ざめた。  あの朝、キャメロンは全裸の自分たちを目撃している。  ミフユは伊吹の肌を晒したくなかったので、自分のぶんのシーツまで使って伊吹をぐるぐる巻きにした。  そのときに――自分は、キャメロンたちに背中を見せなかったか?  「師走さん、背中に刺青入れてらっしゃるわよね。あれは鳳凰かしら? まあ、本職だろうし、師走さんはともかくとして。  ――どうしてママの背中にも同じ模様があったの」  ああ、とミフユは瞼を閉じた。頭が痛い。  「正確には、師走さんの柄と対になるように彫られてたわよね。  ママは、二人は高校の同級生だって言ってたけど、ただの友達が――よしんば恋人かなにかだったにしても――おそろいの刺青まで彫るかしら?  ちょっと気合入りすぎよね。あれは」  しっかり見られていた。言い逃れできない。  黙っていると、キャメロンがややトーンを和らげて言葉を重ねた。  「いいえ。ママの過去を詮索する気はないの。私達にとってはお店で見るママが全てだもの。  でも、一昨日の夜、アキちゃんたちに手伝わせて二人して女装パーティなんかしてたわね?」  「……はい」  しょんぼり頷いたのはミフユである。伊吹は口を挟まず、二人の動向を見守っている。  「私、けっこうニュースとか見る方なのよ。  ゆうべ、歌舞伎町のどっかのホストクラブで起きた事件も知ってる。鳳凰組とかいうヤクザが関わってたかしら」  決定的なことは言わないが、たぶん、キャメロンにはおおよその見当がついている。  「そして、これは当日そのクラブに行ってた友達から聞いた話なんだけど――そこで、けったいなオネエ二人組が暴れてたって」

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