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 普段は見ることのない真剣な面持ちで、キャメロンが語りかけてきた。  「昔、ママがどこで何をやってたとしても、構わないわ。  でも、お店をやる傍らで今でも何かしているんだったら……それで私たちを頼るのなら、説明する義務があるんじゃない?」  元々、問題が解決すればみんなに事実を話すつもりだった。都合の悪い事実は伏せて。  けれど一度不信感を抱かせてしまったからには、高校時代から遡って全部説明する必要があるだろう。  伊吹と知り合った経緯。  それから、ミフユが鳳凰組に入っていたこと。  自分を見つめてくる四人を一瞥した。  「……そうね。そもそも、みんなにも無縁な話じゃないのよ。  これは、モリリンちゃんの事故に関係してることだから」  ただ、巻き込みたくないから話さなかった――と言おうとして、やめた。  (いや、アタシが過去を知られたくなかっただけか)  ひとつ事実を話せば、いずれ全てを打ち明けることになるのを恐れて、同僚たちから逃げていた。  でも、過去は捨てられないのだ。  ヤクザを辞めることはできても、『ヤクザだった如月美冬』は、永久にミフユについて回る。  「分かったわ。ぜんぶ話す」  ミフユは腹を決めて、高校時代に伊吹と出逢ったときのことから話し始めた。 ・・・

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